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今月のコラム

column

限界

更新日:2005.02.01

いゃぁ 寒い! 去年の12月は、温暖化で冬がもう来なくなったのかなぁと思う程、雪が少ない月だった。年を越して1月。1月なのに寒中の2月の様だ。雪は多いわ、とにかく寒い。

 1月、みそ造りをした。朝5時半には、麹の仕事とお釜に火を入れる所から始まる。みそ造りの合間に、敷地の雪はきを、1回ならいざ知らず、日には2度3度とやる。みその出荷もやる。夜8時頃、米を浸漬し、麹の床の切り換えしをしてやっと終る。妻は夜中の2時に麹を見に麹室に行く。これが毎日続く。妻と二人での仕事であるが、二人とも51歳。「こんな事、いつまで続くのかなぁ?」と50歳になってからの体力の衰えとともに嘆いている。

 でも、自分の仕事と思っているから無理がきく。体力・気力の限界への挑戦が手造りであり、自然と時間は、私たちを甘やかしてくれない。また2月もみそを造る

新年にあたって

更新日:2005.01.01

新年あけましておめでとうございます。旧年中は皆様に大変お世話になり、ありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。

 時代はいつも流れておりますが、ここ数年前から、社会にとっても、個人にとっても、“分水嶺”の始まりになっている様な気がしてならない。どの様に変化していくのかわからないが、時勢に流されて生きていくのは危険な気がする。自分・家族・地域……と小さな単位 から(自己防衛も含めて)、自分の考え・生き方でしっかりと生きていかなければならないと思う。

 長谷川の山形仕込味噌としては、時代の変化に流されて、無くならない様に、“原点”と“足元”をしっかり見すえて努力したいと思います。そして、皆様とのコミュニケーションをより一層深めさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

「スローライフ談話室」のお引越し

更新日:2004.12.01

検索サイトgooが、今年の春、NTT-XからNTTレゾナント(NTT-R)に社名を変更しました。そして11月25日よりgooの「スローライフ」のコンテンツが「環境」に変わりました。私が企画している「スローライフ談話室」も「環境」のコンテンツに入りました。これからはgooのトップページの生活という大きなジャンルの中に環境というコンテンツが載っています。環境から食に入ってもらうとスローフードの中に「スローライフ談話室」があります 。

北海道

更新日:2004.11.01

北海道 2004.11.01  10月10日(日)大豆の契約栽培農家をたずねて、北海道に行った。仙台空港の飛行機の予約の朝の便が台風で欠航となり、昼頃のフライトで行った。

 10月11日(月)私の製品みその無農薬大豆を作ってくれてる上川郡剣淵町の佐藤さんの所へ行った。道々で防風林が倒れ、家や小屋の屋根がはがれ、ビニールが貼ってあった。台風のため、私が行く予定の前に大豆の刈り取りがおわっており、無農薬無肥料栽培の大豆のみがまだあった。試験的にはじめたもので、成育が遅く、刈り取りをしていなかった。夕方佐藤さんと知的障害者施設「剣淵北の杜社」をたずねた。農業・窯業・農産加工・さをり織りをしており、それらを販売している。私はみそ造り担当の職員の人とみそ造りの話をした。夜は、佐藤さんの自宅で、家族の人と一緒にジンギスカンとビールをごちそうになった。

 12日(火)無農薬黒大豆を作っている鈴木さんの所へ行った。黒大豆はそれでも高いのに、黒豆ブームで、去年そして今年も価格が高い。今年は台風で京都の丹波の黒大豆が少ないとのこと。午後、私の仕込味噌の減農薬減化学肥料大豆を作っている石狩郡新篠津村の井伊さんを訪ねた。岩見沢駅に迎えに来てもらい、最初に二人でお世話になっている新篠津村農協を訪問し、椎野常務理事と伊藤部長のお話を聞き、そのあと大豆の選別 作業所を見た。井伊さんの家に行き、家族の皆さんと、やはり刈り取りがおわってにおづみされた大豆を見ながら話をした。剣淵の佐藤さんも言っていたが、井伊さんも台風で大豆の葉が落ち、順調だった成育があと一週間の所であった。完全に成育ができず、大粒の比率が例年より少なく、扁平した形のも例年より多い。井伊さんの小屋にもビニールが貼られ、台風で母屋が壊れるかと思ったそうです。夜、井伊さんとタップリ酒をのみながら、いろんな話をした。自然とは恐ろしいものであり、人間にはどうしようもない。

台風で防風林が倒れた

台風で防風林が倒れた

左:鈴木さん 中央:佐藤さん 右:私

左:鈴木さん 中央:佐藤さん 右:私

新篠津村農協にて

新篠津村農協にて

温泉

更新日:2004.10.01

秋本番10月11月と紅葉のシーズンとなる。今年は温泉表示で揺れている。新聞を読むとある調査では「加水・加温が9割」なんて書いてある。水道水や井戸水を温泉なんて言うのは論外であるが、温泉の入浴温度は40~43度位 になっている。今、家庭のお風呂が自動温度設定が多いので、各家庭で39度とか41度とか自分に合った温度設定をしている。温泉の温度は、自然が勝手に決めているので、我々人間の都合の温度にはなっていない。40度前後をめどとして水を足して温度を下げたり、熱を加えたりしている。  私の住んでいる山形県はどこも温泉だらけ。何も旅館に泊まらなくとも銭湯気分で300円~400円払えば、年中温泉三昧である。熱い銭湯(温泉)に行くと水道の蛇口にホースがつないであり、勝手にうめてくれという調子である。

 自然が相手なのに、人間は自分に自然が合わせてくれると勘違いをしている。また、温泉効能で、からだに良い云々もいいが、一泊や二泊では関係ない。ある一定期間の湯治療養でないとどうにもならない。

 からだの休息と心のリフレッシュとおいしいたべものと、これからは紅葉だ。温泉は、心から楽しむものだ。もっと大らかに考えよう! 日本の温泉は、いいよ。

オリンピックとスポーツ

更新日:2004.09.01

オリンピックとスポーツ  今年の夏は、毎日がオリンピックの日だった。私は、夜中は寝ているので、真夜中のアテネでのテレビ中継を見ていない。準決勝・決勝の結果 が気になっており、朝起きるとすぐテレビをつける日々だった。毎日毎日オリンピックを見ていたのは、日本が毎日メダルを取っていたからだ。金メダル16個、銀メダル9個、銅メダル12個の37個であった。

 スポーツは観衆の前で、オープンで競技をし、ルールに基づいて勝ち負けを決める。100%とはいかないが、勝ち負けを決めるという点ではすがすがしい。地域の運動会から、幼稚園、小学校、中学校、高校の運動会、小・中・高・大学の部活とそれにともなう、市大会・県大会・全国大会。会社の運動会、仲間内での競技会。とにかく誰でも参加出来るし、多くの勝者を作り上げていく。多種多様の価値の勝者と敗者を生みだしていく。オリンピックは世界で一つのメダルである。それ以外は、日本でも、どれだけの数になるかわからない程の賞状やメダルや楯が授与されたか。敗者になっても、また勝負できる。今のグローバルスタンダードの勝ち負けのように、強者の論理による少数の勝ち組を作る世の中の競争社会は、誤りである。

うまいなぁ

更新日:2004.08.01

今、8月1日午前9時。この原稿を書いている。通常は月末に書いているのだが、家業の仕込味噌(大豆を煮て、麹と塩を混ぜた段階の味噌。家庭のおけに仕込み、発酵させてたべる。)が、7月31日に終った。疲れ切って、原稿を書く気力がなかった。仕込味噌は毎年生産量 が減っている。そんな中で、「味噌、うまいねえ」と言う言葉を多くのお客様から寄せられた。地味な努力を毎年つみあげてきた。 「このみそ、やめられない」「こどもが好きで、毎日食べる」「嫁が味噌が好きになって」仕込味噌は、日本のそして庶民の食文化である。細々と守り続けていきたい。そのためのには「うまい、おいしい、やめられない」と言われるみそを造ることだとつくづく感じた。仕込味噌を続ける人たちは、みそマニアに近い人たちになると思う。本物のそしておいしいみそを造って、心から感動してもらうしかない。「本物の時代」長谷川の山形仕込味噌という名で仕事をしている。規模が小さく、生産量 が少なくて、日本の人口の中のほんのわずかな人たちの分しか造れない。でも、私の造ったみそで、お客様の人生が豊かになるのなら、私の仕事は、大事な仕事だと思う。

「味」雑感

更新日:2004.07.01

6月は、山形ではさくらんぼの季節である。さくらんぼ農家の人と話をした。今年のさくらんぼは例年になく甘かった。「どうしてなのか?」と聞いたら、「花が咲いたとき、温度が低くなり、蜂の動きが鈍く、花粉の受粉が悪く着果 が3割減になり、そのため一つ一つのさくらんぼの実に栄養が行き渡った。」との事である。農作物は、工業製品と違い、同じものを毎年作る事ができない。

 6月29日(火)京都にいて書いている。今日は、取引先へのあいさつに名古屋に行った。名古屋で、また味噌煮込みうどんに挑戦した。どうも苦手なのだが、今回は違っていた。たぶん老舗なのだろうか(確かではないが)、おいしいと感じた。みその味を何度もかみしめるように確認した。酸味、苦味の中にまろやかさと甘味がある。八丁味噌のうまいところを全面 に出しながら、私の苦手な所をカバーしている。店員さん(女性)に聞いた。「このみそ、何ですか?」答えは「ブレンドしています。」との事であった。私はやっぱりなあと思った。ここのはうどんもうまい。具もうまい。うまい味噌煮込みうどんを作るために、すばらしい発想と努力をしている。うまさを追求する事は大変な事だが、食べたお客様にすばらしい幸福を与えてくれる。

インターネット

更新日:2004.06.01

私はインターネットについてふと考える事がある。コンピューターを使って、世界中からすぐにかんたんに情報を得られ、利益追求の手段にもなっている。 かんたんに早く適格に情報を得る世界である。ここまでコンピューターが普及すると、もはや情報手段というよりは、意思伝達の社会基盤といってもいいのではないだろうか。

 大昔、文字を発見し、自分の考えを他人に伝え、印刷が出来てより多くの人に伝え、そして音声としてのラジオ、映像としてのテレビと発展してきた。 ここまでは、まだ時間を必要としてきた。読むにしても聴くにしても見るにしても、ある程度の時間を必要としていた。その時間の長さ分だけ、人間は考える時間を持っていた。ところが、このインターネットは、時間感覚が非常に短い。情報を得る手段であるから、かんたん・短い・適格であればいいのだ。でもこれでいいのだろうか。

 意思伝達の社会基盤になりつつあるインターネットにもっと「考える時間」を持ち込んでいかないと、考えない人間が増えてしまい、情報にふりまわされ、さまよう社会になってしまうのではないかと心配している。 インターネットに対する考えをもっと広く深く考えなければならない時代になったのではないだろうか。私は検索サイトgooで「スローライフ談話室」を企画している。この「スローライフ談話室」が、インターネットの新しい一面 を切り拓いていければいいなぁと考えている。

担い手

更新日:2004.05.01

4月28日、山形県醤油味噌工業協同組合第57期通常総会が山形市で開催された。県の組合員は43社である。私はその中で一番小さなみそ屋である。総会も終り、懇親会が夕方から行われた。みその全国ベースでの出荷量 も毎年少しずつ減少している。そんな中で、山形県内のみそ屋さんは地元密着で長い間仕事をしてきた。今、時代の変化の波にもまれ、いろいろと苦労している。みんなで「どうしよう」と酒をのみながら語らい合った。地域や近所の小売店が存在していた頃は、みんなそれなりに地元で商売ができた。ところが今は、小さな小売店はつぶれ、山形も、大手スーパーやコンビニのみになってしまった。よほどの規模でないと取り引きはできない。

 現在、厚生労働省の「みそ製造」の営業許可証をとっているのが全国で5,700事業所、そのうち、わたしたちが加盟している全国味噌工業協同組合の加盟企業は1,350社である。その他にも、個人で自家製みそを造っている人も大勢いる。みそは「手前味噌」という言葉がある様に、自分が造ったみそが一番おいしいのである。つくった人の数だけ味の種類がある。 味文化の王様である。その担い手がどんどん減ろうとしている。戦後、多くのたべものは、小さな作り手が淘汰され、ある程度の規模に集約されてきた。その事によって、味の違いもなくなりさびしい食文化になってしまった。みそはまだ、私の様な小さな製造業者がたくさん残っている。「手前味噌」という言葉を残すためにも、全国のみそ屋さんは、がんばらなくてはならない。みそは、味文化の基本であり、日本が誇れる調味料である。

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