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今月のコラム

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「手造りみそ雑感」(2)

更新日:2007.07.01

6月9日~11日東急本店B1の紀ノ国屋渋谷店でのみそPRのため、8日に東京に出てきた。6月5日~8日までビックサイト(国際展示場)で FOOMA JAPAN 2007 国際食品工業展が開催されていた。どら焼の自動ラインがあり、できたてのどら焼を、並んでたべた。ブースの広さに制限があるため、実際の工場のラインとは大きさが違うと思われる。この会場は撮影が禁止されているので、言葉だけでの表現は難しいが、とにかくおもしろい。楽しい。いろんなたべものの原材料を処理したり、加工したりする機械があった。
 たまねぎの皮をむく機械があった。眼が痛くなくていい。ところが、ある会合でとなりにすわっている人と話をしたら、なんと野菜をカットする会社の社長さんであった。 FOOMA での話をしたら、なんとその会社では、ラインの上で自動でたまねぎの皮むきができるとの事。 FOOMA で見た機械とは、ケタ違いのスケールのようである。原材料も大量仕入れをするので安く、しかも、大量処理でコストも安い。よそでは勝負にならないだろうと話をしていた。
 機械はより性能の良い機械にかなわず、大量に製造できるより大きな工場にかなわず、最終的に大規模生産できる大企業に集約されていく。今は、そういう時代なのである。原材料には、機械に合わせるため、機械が処理しやすい形や性質が要求される。手造りは、原材料の味や特性を引き出して、自分の技で勝負する。そして限りなく小さな世界である。

スローフードフェア 2007

更新日:2007.05.01

4月28日(土)29日(日)のゴールデンウィークに、パシフィコ横浜で「スローフードフェア 2007」が開催された。
 会場の広さが2倍になり、去年よりも人出が多かった。今年のメインテーマは「だし」(写真1)。そして「食育」(写真2)や「日本酒」も大きなテーマであった。
 私は、スローフード山形のブースで、山形の仲間と山形のおいしい食べ物を紹介した。(写真3)
 今年、会場において感じた事は「情報」の不足である。私たち出展者も、自分たちが展示しているスローフードについて、きちんとした話が出来ていなく、来場者の皆さんからも、突っ込んだ質問が少なかった。
 今、食の安全・安心や環境がいろいろと問題になっており、法の整備が進んでいるにもかかわらず、日本国民の関心がいまいちである。それは「情報力」の問題である。情報量と理解力の問題である。私たち出展者は、来場された皆様に「スローフードって何だ!」「スローフードってどんな食べものなのか」「スローフードって、なぜ今、必要なのか」という事柄についてもっと工夫して理解や協力を求める必要を感じた。

写真1:「豆を箸でつまんで皿から皿へ」

写真1:「豆を箸でつまんで皿から皿へ」

写真2:「鰹節を削ってみましょう」

写真2:「鰹節を削ってみましょう」

写真3:「私はスローフード山形のブースで商品を紹介」

写真3:「私はスローフード山形のブースで商品を紹介」

「e-kinokuniya.com」

更新日:2007.04.01

紀ノ国屋のネットスーパーに「手造り長谷川みそ」が載っている。私の友人が「おい! 長谷川、紀ノ国屋のインターネットにお前の味噌が出ているぞ。」と教えてくれた。私は時間が許すかぎり、紀ノ国屋の店内で、「手造り長谷川みそ」をPRしている。お客様が持っている紀ノ国屋の手さげ紙袋のまちの部分におおきく「www.e-kinokuniya.com」と印刷されているのは見てはいたのだが、そこに自分がPRしている味噌が出ているとは思わなかった。
www.e-kinokuniya.com>地域限定ネットスーパーkinokuniya>調味料・ソース>味噌とたどり着くと一番最初に「手造り長谷川みそ」(品番1802010001)が出てきます。ぜひ見て下さい。
 さて、ポータルサイトgooで、私の企画する「スローライフ談話室」が出ている「食」のコーナーに、環境gooの新企画として、3月30日(金)、「美しい味の日本」(http://eco.goo.ne.jp/food/nippon/)が立ち上がりました。自然や風土に密着した伝統的な食材などがこれからも登場してきます。私も、山形スローフード協会(スローフード山形)の一員として参加していきたいと思っています。また、4月28日(土)~29日(日)の「スローフードフェア2007 in 横浜」でも、山形スローフード協会(スローフード山形)のブースで、山形の仲間といっしょに出展、参加します。
 「スローフードフェア2007 in 横浜」の詳細は、「美しい味の日本」に出ています 。

ケイタイのサイト

更新日:2007.03.01

今日、夕方、山形の鈴木氏より、私のケイタイに電話があった。私は、明治屋広尾ストアーで「手造り長谷川みそ」のPRをしていた。「今日は、何ん日? 原稿は?」今日は2月28日で月末である。28日という日にちが私の頭から、月末をいう意識を消していた。「何も考えていないよ。」と言ったら、氏曰く「逆立ちして、頭を絞れば、何か出てくるよ。」と。
 路上で逆立ちというわけにもいかないので、私は、インターネットカフェに立ち寄った。shikomi.comを入力検索したら、私のHPの事がいろいろ出て来た。そして何よりもビックリしたのは、ケイタイのサイトの事が登場していた。これからは、「ケイタイの時代だ。」という風潮に強迫観念を覚え、とにかく何かしようと思って、始めたばかりである。私はコンピューターも出来ないし、メールを打つ事も出来ない。それでそっちの事は鈴木氏に、おんぶにだっこでやって来ている。さしあたって、私のみそのPR活動情報から始めた。
 みそ造りをしている時は、出かけられませんが、PR活動情報の日には売り場にいますので遊びに来て下さい。
 ケイタイのサイトで一体何が出来るのだろうか。これからゆっくりと考えていきたい。

自然栽培ひとすじに …(木村秋則著)

更新日:2007.02.01

今、東京にいます。いつもの様にお店で「手造り長谷川みそ」のPRをしています。木村さんを知っているというお客様に、「このみそ、木村さんのお米を使っています。」と言ったら、「木村さんって、お米作っていたの。」とおっしゃられた。木村さんに用事があって電話をしたついでに、この事を話したら、木村さんは、昨年の12月7日放送のNHKの「プロフェッショナル」に出演してから、多くの人に、「木村さんって、りんご作っていたの。」と言われているとの事。
 木村さんの話によると、無農薬・無肥料で作る自然栽培の普及のため、日本全国をまわっている時、「青森県のりんご農家の皆さんに、迷惑をかけられないから」と、東京ではりんごの話をしたが、よそでは、お米や野菜の自然栽培について話をしていたそうです。
 今、ふと思い出したのですが、東京にいるので、正確な事は書けませんが、10数年前日本経済新聞の全国版で、21世紀を担う40代として、農業分野で木村秋則さんが紹介されていました。内容はりんごやお米の事が書かれており、木村さんの田んぼでの作業風景の写真が大きく載っていたのを思い出しました。木村さんの自然栽培は、りんご、お米、野菜です。
 そして今回、「自然栽培ひとすじに」(木村秋則著・創森社・2007年1月20日発行・1600円+税)が出ました。本題の上に一行、無農薬・無肥料の技と心という言葉が書かれています。農薬・肥料・堆肥を用いずに作物を育てる自然栽培は、「古いけれども実はいちばん新しい方法。この自然栽培の技術こそ未来に生き残る農業の形と考えています。」とあり、木村さんのすさまじいりんご人生、そして自然栽培の考え方、りんご・お米・野菜の自然栽培の基本が書かれています。一般の人はもちろんの事、農業関係者、学生さん、そして家庭菜園をやっている皆様にもぜひ読んで欲しいと木村さんは言っていましたし、木村さんとは長い付き合いの私でもあらためて得るものがあった。

[こちらもぜひご覧ください]

スローライフ談話室第47話 木村秋則さん「自然栽培」http://eco.goo.ne.jp/food/slowfood/danwa/danwa47.html

スローライフ談話室>ミニコラム「こんにちは」長谷川裕市

 

新年あけましておめでとうございます

更新日:2007.01.01

新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございます。
 私の近くの大手スーパーのお店での話。アルバイトの人と話をしていたら、「社員さんが忙しくて、アルバイトの指導もできない。仕事がわからない所もある。」と話をしてくれた。人を減らして、それで今までと同じ仕事量をこなさなくてはならない。どこの世界も同じだ。これでは、お客様が「商品はどこにあるの? これ、どういう品物なの?」とたずねたいと思っても、売り場には、わかっている人がいない。今、「お客様第一」と言葉は踊っているが、「お客様不在」である。お客様とのコミュニケーションが欠落してしまっている。
 「大手メーカーが大量生産して、テレビコマーシャルをバンバンやって安売りしているから、大手の品物しか売れない」と嘆いている人が多いが、それは、まちがいである。大手メーカーこそ常に多くのお客様といろんな媒体を使って、コミュニケーションをとっているから売れるのである。
 私は、12月は紀ノ国屋(青山・渋谷)、明治屋(広尾・玉川)で試食販売をしていた。多くの見知らぬお客様から、「私、食べているわよ!」「このみそ、おいしいわ!」と、私に声をかけてくれる。本当にうれしいものである。テレビコマーシャルを流せなくても、お客様とのコミュニケーションをとる方法は、いろいろとある。私は、これからもお客様とできるだけ生のコミュニケーションをとっていきたい。
 本年もよろしくお願い申し上げます。 

時間がかかる

更新日:2006.12.01

妻が10月31日手術をし、11月9日無事退院しました。皆様には、大変ご心配、ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。まだ元通りとはしばらくいきませんが、パートさん一人に、短期のアルバイトの人、一人手伝いに来てもらって、おかげさまでどうにか、4人でやっています。
 今、個人のお客様からの注文のお歳暮や自家用みそ、並びに流通へのみその出荷をしております。私は、10月、11月の出張をすべてキャンセルして、久しぶりに山形にずっといました。12月は、12月1日~6日まで紀ノ国屋青山店、8日~11日まで紀ノ国屋渋谷店(東急本店地下)、14日~19日まで明治屋広尾ストアー、26日~31日まで明治屋玉川ストアー(玉川高島屋地下)で「手造り長谷川みそ」のPRをしております。
 みそは造るのに時間がかかり、売れていくのにも時間がかかる地味な商品です。こつこつ、こつこつ、まじめに仕事をするだけです。時間がかかると言えば、12月7日(木)午後10時からのNHK「プロフェッショナル」に出演するの木村秋則さんのりんご作りは、私の比ではありません。ぜひ皆様に、この番組を観てほしいと思います。最後になりますが、本年も大変お世話になり、ありがとうございました。

妻の入院

更新日:2006.11.01

10月31日午後2時28分、私は「食堂談話室」にいる。でも、ここは食堂ではない。病院にお見舞いにくる人と患者さんとの交流の場である。今、妻が手術室に入った。「スローライフ談話室」をいつもは、月末の夜か1日の午前中に書いているが、まわりの人の話し声の中で書いている。
 10月26日、東京に向け、お昼の山形新幹線に乗るため、山形駅の改札口を通ろうとした時、電話があり、タクシーで個人病院に行き、総合病院に移った。年齢的側面もある婦人科疾患である。2週間位かかると言われて、私のような小さな自営業では、仕事の半分を妻が担っているので、改めて、いろいろと考える事がある。子供は社会人と大学生2人で東京方面にいる。妻とは一日中いっしょにいる生活なので、いざ「一人」になると大変である。動物の世界で番(つがい)という言葉があるが、私と妻は生活でも仕事でも、まさしく、つがいである。
 4時15分、先生より手術の報告があり、「無事」おわってホッとした。4時25分、手術室を出てきた。4時35分、面会した。夢を見ていたそうだ。「大丈夫、うまくいったよ」と声をかけた。
 皆様には、2週間程多少ご不便をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます

栽培方法のリレー

更新日:2006.10.01

8月10日(木)青森県弘前市(旧岩木町)に手造り長谷川みその原材料のお米で木村秋則さんの所に、9月12日(火)北海道石狩郡新篠津村に山形の地元の仕込味噌の大豆で井伊秀一さんの所に、9月13日(水)北海道上川郡剣淵町に製品みその大豆で佐藤剛裕さんの所に栽培確認に行きました。
 今年は、一つの区切りの年になりました。それは木村秋則さんとの出会いが、私のみそ造りに大きな影響を与え、やっとここまで来る事ができました。木村さんは岩木山麓で、農薬も肥料も使わないで、りんごを作っている農家です。私の「手造り長谷川みそ」の原材料のお米をずっと農薬不使用肥料不使用で作り続けてもらっています。木村さんと出会った当時は、私の頭の中は有機栽培でした。木村さんの考え方は、全く新しい考え方で、今、振り返ってみると私は本当に理解できていたのか自信がありません。でも、素直に追いついていきました。そして「手造り長谷川みそ」の原材料を作っている佐藤剛裕さん。最初に出会った時は、(旧表示)無農薬減化学肥料栽培でした。そして、無農薬無化学肥料栽培、JAS有機栽培、そして何年かの試作を続けて、今年やっと「手造り長谷川みそ」用の大豆が栽培期間中農薬不使用肥料不使用になる予定です。また、2008年秋冬に新発売予定の「手造り黒大豆みそ」の原材料の黒大豆(いわいくろ)も栽培期間中農薬不使用肥料不使用になる予定です。予定とは、まだ収穫しておりませんので。北海道の佐藤さんは青森の木村さんの指導を受けて努力してきました。木村さんはりんご畑に窒素を取り入れるため、大豆を植え、根粒菌を利用しています。大豆栽培にも詳しい方です。一つの区切りとは栽培期間中農薬不使用肥料不使用の考え方が木村さんから長谷川そして佐藤さんへとリレーする事ができた事です。

8月10日(木) 田んぼ(左:木村さん 右:私)

8月10日(木) 田んぼ(左:木村さん 右:私)

9月12日(火) 大豆畑(左:井伊さん 右:私)

9月12日(火) 大豆畑(左:井伊さん 右:私)

9月13日(水) 大豆畑(左:佐藤さん 右:私)

9月13日(水) 大豆畑(左:佐藤さん 右:私)

手づくりみそ

更新日:2006.09.01

手づくりみそは、自然任せの部分が大きい。私の住んでいる山形市は、40.8℃という日本一の最高気温を記録している所です。いつも暑い夏なのだが、今年の山形は、7月末までやませの様な風が吹いていて、冷夏のようであった。みその熟成に必要な温度はあったが、褐変作用(みそが茶褐色に色づく)に必要な温度が足りなくて、みその色づきが遅れている。8月になって、山形らしい盆地のむかっとしたあつい気温になって、みその色づきが進みはじめてきた。
 私はみそ造りの合い間に、「手造り長谷川みそ」のPRで紀ノ国屋さんと明治屋さんの売り場に立っている。お客様に良く声をかけられ、「長谷川さんには、いろんなみそを食べさせられている。」とおっしゃられ、またみそを買っていただいている。無添加・手造り・天然醸造のため、みその色づきや熟成度がいつも違っている。
 みその製造技術は、ほぼ開発が終っていると言われている。製造技術の開発には、研究部門と設備が必要である。大手のみそメーカーさんには、かなわない。いつも一定の品質(みその色・熟成)と美味しさ(味の均一)のみそを製造出荷するのは、みそメーカーの一つの大事な使命である。私のみその様に買うたびに色も味も微妙に違っていては、今の流通での販売においては、やはり、むずかしいものがある。だから、売り場に立って「いつも違いますよ。」と説明しなければならなくなる。みそは、発酵食品で生きものなので、日々変化している。技術も設備もない、手造りの私には、あるがままをそのまま出荷するしかない。
 さて、私はポータルサイトgooの環境のコンテンツの中の「食」のコーナーで「スローライフ談話室」を企画担当している。今回の第43話「食べ物が人生を変える」で、さかもと自然農園の阪本美苗さんが、大変貴重な話を書いている。そして第5話「大地に沿う暮らし」では、自分の手づくりの生き方を紹介している。ぜひ読んで欲しい。

参照:スローライフ談話室第43話「食べ物が人生を変える」

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