今月のコラム
column仕込味噌
更新日:2008.06.01
私の事業所名が、「長谷川の山形仕込味噌」と言います。仕込みという用語は、国語辞典に「酒、みそ、しょうゆなどをつくるために、原料をまぜ合せておけなどに入れること」と書いている。
かんたんな話が、仕込味噌は熟成していないので、すぐにたべられないみそである。
私の家はもともとが麹(こうじ)屋です。昔から山形の各家々では麹屋さんから、麹を買って、大豆を煮て、塩とまぜて自宅のおけに入れて、重石をして、熟成させて、おいしい自家製みそをたべていました。
今では、自分でつくる人は少なくなり、麹屋さんに仕込味噌をつくってもらい、自分の家のおけにねかしています。
4月から7月まで、その仕込味噌を、製品みその合間をぬって造っています。毎年、注文の量も少しずつ減ってきました。どこかで仕込味噌も大きく減ってくるのではないかと考えていましたが、どうも今年が転機の始まりになってきそうな気がしています。お客様も高齢となり、原料高燃料高で食品が相次いで値上げになり、一番大きい要因は後期高齢者医療制度による年金の天引きで、さいふのひもが固くなってしまい、造る量が減ってきました。
今のご年配の方々は、生まれた時から、手造りの自家製味噌を毎日味わってきました。仕込味噌の衰退は、手造りを実感できるチャンスを失う事と同じ事です。また、「手造り」が遠くに行ってしまいそうです。
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