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「手造りみそ雑感」

更新日:2007.07.01

5月は、手造り特みそ、山形の個人の家の仕込味噌と配達、手造り長谷川みそと、ずっと肉体労働の連続であった。
 毎日、朝5時に起床し、夜8時半まで、ヘとヘとするほど働いた。麹は4日間の仕掛かりがあるため、ほとんど休みも取れず、それでいて、1日の仕込量を見て、私は「こんなに働いて,これしか造れないのか」と思った。この仕込味噌をおけにねかして、切りかえし等の手入れをして管理して、1年前後から1年半の時を経て、みそを出荷している。
 手造りすると、大量生産どころか、あまりにも生産量が少なく、これでは豊かになれない。あるしょうゆメーカーの社長さんが、こう言っていた。「人を増やすなら、もっと性能のいい機械を入れた方が良い」と。今の食品メーカーは、製造に際し、いかに性能のよいライン(機械)を作り、いかに使いこなすかが、良い製品を作る重要なポイントの一つになっている。これはその通りなのである。性能の良い機械が買えるかどうかが重要になっている。
 私にとって性能の良し悪しは、私の技術の良し悪しである。機械の良し悪しは、私の体と気力の良し悪しである。良い製品を作るには、「私」という人間機械の性能を高めなければならない。全く世界の違う中での仕事をしている。「手造り」から「機械競争」に移りたくとも、私にはお金がない。

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