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グローバル化時代の食文化

更新日:2008.02.01

 1月24日(木)午後6時半より、東京財団創立10周年記念シンポジウムシリーズ VOL.1 として、「グローバル化時代の食文化」が開催された。パネリストとして、ジャコモ・モヨーリ氏(スローフード・イタリア スポークスマン)と、島津菜津氏(作家。スローフードジャパン「味の箱船」担当)、そして、モデレーター加藤秀樹氏(東京財団会長)の3氏で行われた。
 このシンポジウムで、様々な意見が述べられたが、私は3つの話に関心を持った。一つ目は、イタリアにナイフを作る名人がいて、その人の作るナイフには2つと同じものがない。二つ目は、農業でも、食品加工でも、作り過ぎない、食べ過ぎない。そして、三つ目は、DNA 的味と言う話であった。
 実は私のみそ造りに共通している内容であった。一つ目は、私のみそは天然醸造なので、みその熟成度や色づきがいつも違っているという事であり、二つ目は、手造りのため少量しか造れない。そして、三つ目は、DNA 的な味、私の言葉では「本能に訴えるおいしさ」という事である。
 今、1月31日。東京で、この原稿を書いているが、きのうの夕方から中国製餃子の農薬中毒が登場してきて、大きな問題になっている。画一的な味で、著名な大規模メーカー名で製造され、著名な大規模流通業者によって、日本中に広範囲に大量販売された。
 今、日本では、私のような零細小規模生産者が、原材料・燃料・包装資材・物流費の値上がりで、廃業に追い込まれ様としている。零細・小規模メーカーを助ける事ができるのは、消費者、お客様です。
 今、日本ではスローフード亡びてスローフード運動残る。良品亡びて、消費者運動残る。そんな時代に差しかかっていると思う。

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