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今月のコラム

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新年おめでとうございます

更新日:2017.01.01

 旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございます。
 本年も皆様に「このみそ、おいしいね。」と喜んでいただける様、家族、力を合わせて一生懸命みそ造りに励んでいきたいと思っています。
 末永く、「手造り長谷川みそ」・「手造り黒豆みそ」・「手造り特みそ」をご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

手間暇かけて(6)

更新日:2016.12.06

手間と暇(ひま)。労力をかけて仕事をする事。

今回は「無添加」について、書きたいと思います。
「無添加」も公正表示のルールがあります。

大豆・穀類(米・大麦・はだか麦等)・食塩・種麹菌及び発酵菌以外の原材料は使用することができない。又、製造過程において加工助剤・使用する原材料にキャリーオーバーがあってはならない。
当店のみその原材料に関しては大豆・米・食塩・無添加麹菌のみを使用しています。

手間暇かけてのテーマについてですが、私のみその保存方法については「冷蔵庫保存(0℃~10℃)で保存」と表示しています。みそをおいしく食べていただくために「みそを冷蔵庫に入れて下さい」とお客様に手間暇をおかけしています。

大変申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。

手間暇かけて(5)

更新日:2016.11.05

手造り

手間と暇(ひま)。労力をかけて仕事をする事。

今回は「手造り」について、書きたいと思います。
前回の手間暇かけて(4)で「天然醸造」について書きましたが、「手造り」も公正表示のルールがあります。
1)食品衛生法施行規則別表第1に収載されている添加物を使用しない。
2)加温により、醸造を促進しない。
3)こうじ蓋によって製麹した「こうじ」を使用すること。
という事です。
1)2)は、前回書いた「天然醸造」の規定です。
そして3)が、手造りの大事な条件となっています。

みそは、昔は自分の家で造っていました。そして「手前みそ」で自分の家のみそはうまい!と自慢をしていました。今でも、自分でみそを造ってる人がいます。こうじを買って、鍋で大豆を煮て、塩と合わせて容器に入れて、数ヶ月寝かしておけば、味噌になります。こうじをご家庭で造るのは難しいです。自分で造るにしても、こうじは生き物で、しかも4日間かけてできるので、知識と経験がないと良いこうじは造れません。よってこうじを買ってという事になります。
私の家はもともと麹屋で、私は小さい頃、近所の人から「麹屋の孫」と呼ばれていました。こうじ蓋でこうじを造って荷車、冬はソリなどで配達をしていました。鉄道が発達してからは、こうじ蓋(山形では板麹と言う)を何枚も重ねて背中にせおって、こうじを各家庭に届けていました。大変な重さになります。こうじを仕入れて、背中でせおって売りにでる『しょいこ』と呼ばれる人もいました。麹屋さんにとって、昔の良き時代です。みそは今、ほとんどが機械で製麹されております。私の様な麹屋さんの流れを受け継いでいる小さな事業者でないと、こうじ蓋のこうじを使ってみそを造るところは、非常に少ないと思われます。「手造り」という表示は、天然醸造プラスこうじ蓋で製麹された「こうじ」の使用が条件となっており、現実的には、こうじ蓋で大量の「こうじ」を造って、大量のみそを造るという事は、非効率です。
味噌業界では、「手造り」は、こうじ蓋で造った麹を使用したみそでないと、「手造り」の表示の条件が満たされません。公正表示のマークが付いているみそで、「手造り」と表示しているのは、スーパーや百貨店では、見かける事がほとんどないと思われます。私の「手造り長谷川みそ500gカップ」の丸ラベルの左端に「板こうじ」(山形で使用されている用語で杉の板で造られている木箱で造ったこうじ) と書いています。これが、こうじ蓋で造られている「こうじ」です。

私は、家族が生活していければ良いと思っています。地道にこつこつとおいしいみそを造って、お客様に喜んで頂ける様、がんばっていきますので、これからもよろしくお願い申し上げます。

手間暇かけて(4)

更新日:2016.10.06

手間と暇(ひま)。労力をかけて仕事をする事。
今回は「天然醸造」について、書きたいと思います。
みその表示に関しては、公正競争規約というものがあります。景品表示法第10条の規定により、全国味噌業公正取引協議会が、自主的に景品類及び表示に関する事項について設定し、公正取引委員会の認定を受けた業界ルールです。
私のみそのラベルに「公正」マークがついてますが、上記ルールに従って、表示を行っています。

天然醸造もそのルールがあるのですが、かんたんに説明すると、
食品衛生法施行
1)食品衛生法施行規則別表第1に収載されている添加物を使用しない。
2)加温により、醸造を促進しない。
という事です。

みそは、仕込んでから1ヶ月間位気温が30度続くと、みそになると言われています。昔から気温が30度を超える日が何日も続く夏の暑い土用を越さないとみそにならないと言われてきました。ところが技術が進歩して、加温して醸造する温醸法ができたことにより、夏の暑い土用を待たなくてもみそが製造できるようになりました。
みその多くは、おけに仕込んで3ヶ月から4ヶ月位で出荷されているそうです。発酵に必要な温度も管理されているので、いつも均一に近いみそを出荷することができます。
私の所では、天然醸造をしています。仕込んでから、1年近くから1年半かけてじっくり熟成させています。そのためラベルには「天然醸造のため、仕込時期や一年の天候によって、味噌の色づきや熟成度が異なりますので、ご了承下さい。」と書いてあります。
同じ面積の場所であれば、加温して醸造すれば、天然醸造に比べてたくさんのみそを造ることができます。

私の所では、おいしいみそを造るため、寒暖の差のきびしい山形の気候でじっくり寝かしています。
そして「手造り」でみそを造っています。
公正表示規約で「手造り」の条件の一つに「天然醸造」も入っています。
次回は「手造り」について、書きたいと思っています。

手間暇かけて(3)

更新日:2016.09.06

手間と暇(ひま)。労力をかけて仕事をする事。

9月5日(月)に北海道有機認証センターの有機JASの検査員が来られ、有機加工食品(有機みそ)について検査を行っていきました。去年の11月1日より、みそに有機JASマークを付けて出荷を始めてから、初めての検査となり、今までの検査項目に新たに追加項目が加わり、時間がかかりました。有機JAS認定は、製造するにしても、記録をつけるにも、手間と暇がかかりますが、信用を考えると必要と考えています。

さて8月22日より27日まで、北海道へ行って、お世話になっている農家さんや農協さんを訪ねました。今年の北海道は5月から6月にかけて、低温気味で、非常に雨が多く、日照不足も重なり、しかも8月には北海道では経験した事のない台風まで上陸し、農業としては、大変きびしい気象条件になってしまいました。
私は、「今年の作柄は、どうなるのでしょうか。」と心配でお伺いしました。「自然の事だから、とってみないと(収穫してみないと)わからない。」との事でした。農業は手間暇かけて実りを得る事もあれば、今年の様に一生けんめい手間暇かけても、自然が相手なので、思い通りならない事もあり、農業のきびしさを感じている所です。

どうか、実りの秋になる様、祈らざるをえません。

手間暇かけて(2)

更新日:2016.08.02

 手間と暇(ひま)。労力と時間をかけて仕事をする事。

 味噌を造る時の作業として、大豆をやわらかくするという工程があります。方法としては、大豆を煮るか蒸すかです。
 皆さんが、自分で手前味噌を造る時は、鍋で大豆を時間かけて煮ていると思います。圧力鍋で大豆を蒸す方もおられると思います。圧力鍋を使うと、鍋で大豆を煮る時間より、はるかに早く、大豆をやわらかく煮ることができます。大部分の味噌メーカーさんは、皆さんのご家庭の圧力鍋とは、比較にならない程の大きい圧力釜を使って、大量に、しかも短時間で大豆を処理しています。
 私の家では、和釜を使っています。朝5時半から仕事の準備にかかり、大豆がやわらかく煮える頃には、11時半近くになっています。時間はかかるし、少量しか大豆を煮ることができません。まさしく手間暇かけて、「これしか、できないの?」という感じです。割が合いません。現在、大豆を和釜で煮る味噌屋は、ほとんどなくなりました。でもこのやり方でないと、我が家の味噌の味にはなりません。

 小さな味噌屋ですが、これからも和釜で、こつこつまじめに、みそ造りに励んでいきたいと思います。

手間暇かけて(1)

更新日:2016.07.04

 手間と暇(ひま)。労力と時間をかけて仕事をする事。

 今、物づくりは、大規模化と効率が求められています。そういう世界では、手間ひまかけては、真逆の世界だと思います。
 先日、有機JAS米を栽培している農家さんと話をする機会がありました。農家としては大きい方で、有機米は、農地の2割位だそうです。一番大変なのは、草取りだそうです。農業機械で除草はしますが、やはり人手による草取りが一番重要だそうで、その人手が足りないとの事です。有機米の面積を増やしたくとも、できない様です。
 農地を集約して、大型農業機械を使って、大規模農業をめざす今の時代では、有機農産物は、人手不足でむずかしくなる気がします。

 このままだと、有機農産物は、増える所か減っていってしまうのではないかと、心配をしています。今、有機農産物を支えているのは、農家の皆さんの「志」(こころざし)だと思います。

長谷川の山形仕込味噌

更新日:2016.06.06

 私の父は3代目で、看板には「味噌麹製造業 長谷川市十朗」と書いてありました。もともとは、麹屋で、私が小さい頃は、ご近所から“麹屋の孫”と呼ばれていました。
 仕込みという言葉は、「原材料を混合し、容器に入れる。」という意味で、味噌で言うと、「大豆・米麹・塩を混合し、桶に入れる。」という事になります。私が親の仕事を引き継いだ時は、仕込味噌と麹を一般家庭向けに製造販売していました。2~3件の八百屋さんに製品味噌を少量ですが、卸しをしていました。なにせ、○○味噌屋等という事業者名ではありませんでした。私は、味噌製造業に転換しようと考えていましたので、「4代目 長谷川裕市」では、どうかなぁと思いました。でも、製品味噌の商品名もなく、少量しか造っていなかったので、「長谷川味噌」等と書ける状態ではありませんでした。よって、「仕込味噌」と言う言葉を使う事にしました。
 山形の家々では、麹屋さんから麹を買って、自宅で大豆を煮て、塩を混ぜて、自分たちで味噌を造って家の桶に仕込んで熟成させ、食べていました。時代と共に、自分で造るのをやめて、麹屋さんに仕込味噌を造ってもらい、家の桶に仕込む様になりました。仕込味噌は、まさしく庶民の手造り味噌そのものだったのです。
 今でも私の所は、大豆・米麹・塩のみで造っており、発酵に関しては麹菌のみで、酵母や乳酸菌等は使用しておりません。各家庭で造っていたみそ造りと同じです。こんな味噌造りをしている味噌屋さんは、本当に少なくなりました。
 家族で力を合わせて、これからも、おいしい味噌を造っていきますので、よろしくお願い申し上げます。

ゴールデンウィーク

更新日:2016.05.02

 今年のゴールデンウィークは、みそ造りをしています。
 みその仕込みは、4月~7月までと9月~11月までです。真夏と真冬は、みその仕込みをしません。
 ゴールデンウィークのこの季節は、みそ造りに適しているので、いつも仕事をしています。家族で肉体労働という名の手造りをしています。年を取って、引退したら、妻とゆっくりゴールデンウィークを楽しみたいと思います。
 私は妻に「元気で、長生きしろよ。」と言っています。
 そして妻も私に「あなたもね。」と。
 結婚して38年、助け合って生きています。

有機JASマーク

更新日:2016.04.02

 2015年11月1日より、「手造り長谷川みそ」「手造り黒豆みそ」に有機JASマークが付いて、5ヶ月が過ぎました。
 私も、そしてお客様もやっと慣れてきた頃だと思います。
 大豆・お米に関しては、HPの「原材料について」をご参照下さい。
 有機JAS法の有機農産物・有機加工食品をつくることは大変で、生産者もまだ少ないのが現状です。有機農産物は、農産物の0.2%しかなく、農薬・肥料不使用に関しては、限りなく0%に近いのではないかと思います。有機JAS認定に関して、様々な面で多額の出費をしてしまいました。家族で自営業をしている小さなみそ屋としては大変なことです。
 今度は私の所属する全国味噌工業組合連合会より、「HACCP講習会」開催のご案内がきました。小さな製造業者が生き延びていくには、非常に困難な時代がやってきています。
 私は、皆様に「このみそ、おいしいね」と喜んでいただける様、矢が折れ、力尽きるまでがんばっていきますので、よろしくお願い申し上げます。
 

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