今月のコラム
column年です
2008年のリーマンショックで、ご多分にもれず、私も影響を受け、2009年、2010年とみその仕込み量を減らしました。来年から仕込み量を少しずつ戻して、増やしていこうと思っていました。
ところが、からだが言う事を聞かないのです。「ヨッシャー、頑張るぞ!」という気力が湧いてこないのです。私も妻も「どうしよう?」と、困惑しています。妻は5月で57歳、私は56歳です。朝早くからのきびしい肉体労働は、こたえます。
去年の8月、東京方面にいる長男夫婦に男の子が産まれました。新しい世代の誕生です。私達は、おじいちゃん、おばあちゃんになりました。このことも、気力が湧いてこない要因のひとつかもしれません。
年を重ねる事で、いろんな物事の見方・考え方が変ります。年を経る度に衰える肉体も精神もあります。私は妻と「からだに気をつけて、おいしい味噌を次の代に継なぐまで、これからもがんばろうね」と話し合っています。
自然と向き合う
私の住んでる山形は、夏は暑いし、冬は寒い、寒暖の差のはっきりしている盆地です。私のみそ造りは天然醸造なので気温に左右されます。寒い冬には、みその発酵がうまくいきません。
それで、11月から3月まで、東京でみそのPRをしています。4月初めにいつもならばみそ造りを始めているのだが、今年は寒く、中頃まで気温が上がるのを待っていました。もう大丈夫だろうと思って、大豆を煮るためにお釜に火を入れた朝、何と雪が降ってきました。自然と向き合って仕事をしていると、思う様な予定通りに仕事は進まないものです。
さて、木村秋則さんが4月に本を出しています。『あなたの人生に「奇跡のリンゴ」をつくる本』という題名です。『奇跡のリンゴ』の著者の石川拓治さんが聞き書きをしています。
木村さんの自然栽培の魅力が、多くの写真からも感じられ、自然と真摯に向き合う木村さんがわかってきます。後には「自分でつくった安心野菜を食べよう」ということで、木村式「自然栽培」をプランターでと、解りやすい図入りで書かれています。それに、DVDが付いていて、木村さんと映像でも出会えます。
自然と向き合ってみそ造りをしている私にとって、この本は、大事な一冊です。
日本一の“みそ”
平成12年3月発売した『無農薬みそ』、今は商品名が『手造り長谷川みそ』に変っていますが、満10年を迎えることが出来ました。皆様には、10年の長い間大変お世話になり、誠にありがとうございました。
コラムの表題の話になりますが、無農薬の大豆やお米で『無農薬みそ』を造りたいと思っていた頃、大豆は北海道のあい菜農園の佐藤剛裕さんと出会いましたが、私のみそ造りに合ったお米が見つかりませんでした。平成10年、秋から冬へと季節がうつろうとしていた頃、ある方のご紹介で、青森県弘前市で、木村秋則さんにお会いしました。会った瞬間から意気投合して(いま考えてみると、木村さんの魅力に取り込まれてしまったのかもしれない)、お互いいろいろと話をしました。
木村さんはりんごやお米を無農薬無肥料で栽培していました。私の頭には、無農薬や有機しかなく、初めて聞く木村さんの無農薬無肥料の話に、無我夢中になりました。
その後、平成11年1月8日、木村さんの栽培したお米のサンプルを頂き、お手紙が添えられてありました。その中には、木村さんのお米の話があり、最後の方に「ぜひ長谷川様も日本一の“みそ”を造られて下さい。私も売上げetc.頭に全くありません。協力約束致します。」と、書かれていました。それ以来、ずっといろいろと指導を受け、教わり、木村さんのりんごのお客様をご紹介頂きました。そして、米代の支払いも含めて、今もまだ変らずお世話になっています。
木村さんにいただいた「日本一の“みそ”を造って下さい」との言葉を、私の木村さんへの約束として、大豆・お米は農薬不使用・肥料不使用、塩は深層海塩100%、そして、無添加・手造り・天然醸造で自然のおいしさを求めて造り続けています。
木村さんの言う「日本一の“みそ”」とは、木村さんの「考え方や、思いや、生き方」を込めた味噌だと思います。私はこれからも真剣にまじめに、こつこつ努力を積み上げていきます。
これまで多くの方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願い申し上げます。
未来の食卓
今は、不景気です。新聞に「食の安全・安心よりも少しでも安いものが求められている」と書かれていました。そんな中で、スローフード山形の運動の一環として、2月20日~26日までフランスのドキュメンタリー映画『未来の食卓』の上映会をしました。
ヨーロッパでは、癌や糖尿病などの生活習慣病の70%が食生活を含む環境に原因があり、地球温暖化、環境破壊にも農業のあり方と食生活が密接に関係していると述べられていました。また、農業者が、農薬等でからだが蝕まれていくのが描かれていました。そして、妻や子どもも。
さらに、南フランス・バルジャック村のショーレ村長が、子どもたちの未来を守るため「学校給食、高齢者の宅配給食をオーガニックにする」という挑戦を描いた映画です。内容が深くて、短い文章では表現出来ません。この映画を観る機会がありましたら、ぜひ観てほしいと思います。
北海道の佐藤さんの事、青森の木村さんの事。小平さん黒豆レシピの事
みそのPRの為、また、東京に戻った。冬場は、東京に行ったり、山形に戻ったりの日々である。1月20日(水)大豆でお世話になっている北海道の佐藤さんが、農産物の営業中で、四国から東京にはいるとの事で、八重洲で待ち合わせをして、近況報告を兼ねて、酒飲みをした。こんなご時世なので、いろいろとお互いに話し込んでしまった。
21日(木)午前中、紀ノ国屋さんの日本食担当の中村バイヤーを二人で訪問した。佐藤さんは、紀ノ国屋の契約栽培農家である。私のみそに使っている大豆の栽培方法の話や、お米でお世話になっている青森の木村秋則さんからの栽培方法の指導の話やら、私が紀ノ国屋さんと取り引きが始まるきっかけとなったのは、私が大豆の栽培確認に北海道の佐藤さんの所に行った時、紀ノ国屋さんも栽培確認にいらしていて、いっしょになったのが始まりであった事。いろいろな話が弾んだ。
午後より、都内のデパートやスーパーを二人で回り、市場調査をした。夜になり、池袋でまた酒飲みになった。佐藤さんは酒が強い。
22日(金)。午後8時より、テレビ東京で、世界を変える100人の日本人「世界の衝撃 美食SP 奇跡“無農薬りんご” ウマすぎる和食の秘密・洋菓子女王」が放送された。番組の中で、木村さんに「なぜ、こんな大変な事をしようとしたのですか」という質問に「私は、バカだから」と。そして、「木村さんのりんごは、どうしてこんなにうまいのですか」に、「私もわからないんです」と答えていた。 私にとって重い話である。私は、木村さんのうしろ姿を見つめながら、これからも精一杯生きていきたいと思っています。
1月28日(木)、私の友人の鈴木さんに、黒豆みそのレシピの取材と撮影に、京都に行ってもらった。小平さんの料理のレッスン場で、Web用の動画と、印刷物に使うスチール撮りをしてもらった。編集が終わり次第、アップしてもらいます。おたのしみに。
自然のおいしさをもとめて
新年あけましておめでとうございます
旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます
私は毎年12月は紀ノ国屋・明治屋の売り場に立って、みそのPRをしています。そのために、12月3日、山形から東京へ行きました。ホテルで夕刊を見ていたら、山形では放送されていないテレビ東京で、午後9時からルビコンの決断“奇跡の無農薬りんご誕生”畑が全滅・家族7人絶望の無収入生活…と書かれていました。その放送を見ました。お米でお世話になっている青森の木村秋則さんの話でした。木村さんからはいろいろと話を聞いていましたが、信念を貫く厳しさと強さ、そして長い時間が必要なのを改めて知らされました。
私の主力商品の「手造り長谷川みそ」は今年の3月で満10年を迎えます。大豆は北海道の佐藤剛裕さん、お米は青森の木村秋則さん、塩は伊豆大島の三間房一さんと一緒にはじめて11年の歳月が過ぎました。
今年も大変厳しい一年になると思いますが、木村さんの背中を見ながら、あと10年、20年と命ある限り、自然のおいしさをもとめて、がんばっていきたいと思います
NHK「ようこそ先輩」木村秋則さん出演
11月1日(日)NHKの番組「ようこそ先輩」に、原材料のお米でお世話になっている木村さんが、母校青森県立弘前実業高等学校商業科1年2組で「夢を信じる力を育てよう」というテーマで授業をしました。
7月下旬に学校の教室で、8月から9月にかけては木村さんのりんご畑で4回行われました。農作業を通して、また、木村さんのりんご人生の苦労話を通して、生徒の皆さんは様々なことを学んだようでした。
高校1年生と言えば、私自身のことをふり返っても、自分の将来や夢がぼんやりして、はっきりしていない年頃です。木村さんの授業を通して、自分の夢が少しづつはっきりとしていき、そこに向かって努力しようと歩みだす高校生の姿がありました。
木村さんは、「自分を信じる事こそ夢への第一歩になる」と考え、「夢に向かってみんなで考えよう」とりんご畑の授業を行いました。「自分を信じて馬鹿になって立ち向かって欲しい。こうしようと思ったら、簡単に夢を捨てないで欲しい」「夢に向かっていくのは自分なんで、他人ではない。夢を信じる力を、自分を信じる力を育てて欲しい」と話しかけていました。
高校生の時代には、夢を信じる力、自分を信じる力を育てる時期でしょうが、55歳の私にとっては、夢を信じ続ける力、自分を信じ続ける力を持つ事が大事だと思っています。
お客様に、よく「この味噌、本当においしいね。ずっと造り続けて下さいね」とことばをかけてもらえます。私の夢は、「お客様に必要とされる人間であり続けたい」という事です。
スローフードニッポン 2009
「テッラ・マードレ」(生産者会議)を中心として、横浜ベイエリアでスローフードをテーマに様々なイベントが開催され、スローフード運動の提唱する農業・畜産業・漁業の復権、生物多様性について、みんなで考えようと行われた。
10月23日(金)横浜開港記念会館で「テッラ・マードレ・ジャパン2009」が開催された。「テッラ・マードレ」は、良質な食品の生産者と優れた味覚を持ち、人間を尊重する品質を求める人々をつなぐことを目的とする世界食生産者コミュニティ会議で、2004年・2008年イタリアのトリノで開催され、今回はアジア版として日本で行われ、スローフード運動の創始者でり、スローフードインターナショナル会長のカルロ・ぺトリーニ氏の基調講演があった。
夜は、スローフードディナー(横浜マリンタワー)「山形食材を楽しむ夕べ~アル・ケッチャーノ」スローフード山形の会員で仲間である奥田政行シェフが作った山形県庄内地方のシェフの地元の食材を使ったおいしいイタリア料理を堪能した。
24日(土)・25日(日)スローフードマーケット(横浜市北仲道地区)開催。マーケットは、23日からはじまっていたが、私はテッラ・マードレに参加していたので、24・25日の二日間参加した。ブースNo.12「スローフード山形」に山形の会員といっしょに参加し、味噌を出品した。24日、スローフードインターナショナル会長カルロ・ペトリーニ氏一行が、会場を訪れた。私は、カルロ会長に味噌の説明をした。
また、25日の夜は、「青森シャモロックナイトwith奇跡のリンゴ~レストラン山崎 山崎隆シェフ」が開催された。このディナーでは、木村秋則さんの話と共に。山崎シェフの地元、青森県のスローフードな素材と自然栽培の木村さんのリンゴを使ったおいしいフランス料理を堪能しました。
山崎シェフには、以前、第3回語らいステージで大変お世話になりました。このディナー会場には木村さんのリンゴ人生を描いたベストセラー『奇跡のリンゴ』(下記【書籍紹介】を参照)の著者・石川拓治さんも出席されており、石川さんから会うなり「長谷川さんのホームページ見たことあるよ。」と言われ、うれしかった。
日本のスローフード運動をみていると、生産者の参加者が少ない。今回の「テッラ・マードレ」もそうだった。大量生産・大量販売の日本では、食べ物にたずさわる様々な小規模事業者は、どうしているのであろうか。
スローフード運動の一つに「まじめで、いいものを作っている小さな生産者を守ろう」と言う運動がある。世界を見渡すと、農業などの一次産業を大切にしている国が、まだまだ多い。そういう国々には、スローフードな生産者もまだまだいる。日本ももっと農業・漁業・畜産業を大切にしていかなければならない。
あぁ、大変です
私の仕事は、自営業という形態の「家業」をやっています。私と妻とパートさん一人です。この時期は、味噌の仕込みをしており、毎日肉体労働しております。今回の不景気で、私の様な、ほんとうに小さい製造業者は立ち行かなくなってしまうのだろうかと思っていた所、少し元気が出てきました。「亀井金融大臣」です。この文章を書いている段階では、内容はわかりませんが、亀井大臣の「がんばってほしい」とのメッセージに、多くの人が勇気づけられたと思います。
9月1日(火)北海道石狩郡新篠津村、信じられない秋晴れである。
山形の地元用の仕込味噌の原料の大豆を作ってもらっている井伊さんの所にお伺いした。北海道には梅雨がないはずだが、今年は梅雨空で雨が多く、しかも低温気味であった。大豆の生育状況を大変心配してきたのだが、今日はスカッと秋晴れである。井伊さんは「もう一週間早く今日の天気だったら…」と言った。現場を見ると、成育が遅れ、大豆の実入りや形も良くない。あとは、これからの天気次第だそうで、祈るしかない。
9月2日(水)北海道上川郡剣淵町、今日も晴れである。
私の製品味噌の大豆を作ってもらっている、あい菜農園の佐藤さんの所に行った。佐藤さんの所では、大豆以外にもジャガイモやカボチャやソバやその他いろいろと栽培している。今年の長雨や低温で、作物によっては収穫をあきらめなくてはいけない場所もあると話をしてくれた。大豆は井伊さんと同じ様な状況で、天気次第だそうです。私もいっしょに祈りたい。
黒大豆みそ
8月31日、私は、大豆の栽培確認のため、仙台から札幌へ、飛行機で移動した。
夜、ラーメン店が両側に10数件軒を並べているススキノに行った。各店の前では、自店の特長を看板に書いてあるので、看板を見比べて探す。黒大豆みそを使っているみそラーメンのお店を見つけて入った。
しょうゆやみその原料の大豆、塩ラーメンの塩は北海道産だという。大変まじめで誠実な店であった。麺も北海道産の小麦を使用していた。麺の話であるが、大手製麺メーカーの麺を使うと、その麺に合わせてスープ等の味ができあがっていくという。店の味を作るために、小さな麺屋さんに、自分の作ってほしい麺をお願いしているそうだ。とにかく、製造原価は、よそと比べると大変なのではないかと思う。
私は、『手造り黒豆みそ』を、去年の12月1日に新発売しましたが、黒豆みそを見た事も食べた事もない人がほとんどで、周知販売に大変苦労しています。黒大豆100%使っているので、黒大豆のおいしさとクセが出てきます。普通の大豆を使っている『手造り長谷川みそ』と黒大豆を使っている『手造り黒豆みそ』の両方をお客様に食べてもらうと、両方ともおいしいが、みそ汁に使うのは、普通の大豆の『手造り長谷川みそ』の方がいいみたいだと言う人が多い。『手造り黒豆みそ』にハマっているお客様からは、大変なお褒めの言葉をいただいている。
黒大豆みその利用の仕方は、みそ汁はもちろんの事いろいろな料理にと多様だ。使ってもらって初めて黒大豆みその良さが分かってもらえると思っている。黒大豆みその独特の味とおいしさを、皆様にどうしたら分かってもらえるか。黒大豆みそは全国的にも未知の世界であり、認知してもらえるには時間がかかるかもしれないが、1つのみその文化として普及していきたい。
さて、黒大豆みそラーメンだが、その特長をたずねたら、「こくと甘さです」と話してくれた。
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新着情報
- 2023.12.01
- 今年も、ありがとうございました。
- 2023.11.01
- 送料・価格・表示
- 2023.11.01
- 商品ラベルを変更しました(11/1より)
- 2023.10.25
- 「商品価格」「送料」改定のお知らせ(11月1日より)
- 2023.10.02
- やっと夏が終わりそうです。
- 2023.09.04
- 8月も暑かった
- 2023.08.05
- 猛暑日は、続く。
- 2023.07.04
- 手造りみそは、肉体労働です。
- 2023.06.04
- 当店のみその原点
- 2023.05.05
- これでないと・・・