今月のコラム
column手造り黒豆みそ新発売!
12月1日、新製品「手造り黒豆みそ」を正式に発売できました。平成12年より、試作を開始し、やっと今日に至りました。
黒大豆を使ったみそは、全国的にもほとんどありません。原料の黒大豆が高価で、しかも生産量が少ないのと、みその色が山吹色と違っているからだと思います。黒大豆と米こうじが混ざっている模様です。でも、みそ汁にしても黒くはなりません。ふつうのみそ汁の色が、少しくすむ程度です。黒大豆そのものがおいしいので、味噌にしても、香りとコクがあり、おいしいのです。
黒大豆のみそは、生産量が極端に少ないので、食べたことのある人がほんのわずかで、一般的には認知されておりません。
皆様に、「手造り黒豆みそ」を、みそ汁、いろいろな料理、合わせみそにしても使ってみて欲しいと思います。「手造り黒豆みそ」を使った料理のレシピを、京都の料理研究家・小平泰子さんに依頼し、インターネットや携帯のサイトで見られるようにしました。これからも、おいしい味噌の料理を提案していきます。よろこんでいただければと思います。
「手造り黒豆みそ」を「手造り長谷川みそ」同様、よろしくお願い申し上げます。
手造り黒豆みその料理レシピ
12月1日に正式発売する「手造り黒豆みそ」の料理レシピ作成の件で、10月8日から2泊3日で京都まで行きました。このホームページのアップをお願いしている鈴木氏に撮影をお願いしました。
撮影機材を積み込んで、8日(水)午前9時40分ごろに山形を出発し、日本海側の高速道路を走り、夜、午後8時35分ごろ京都に着きました。料理レシピをお願いしている、京の家庭料理「五感食楽 おばんざい料理教室」を主宰されている、料理研究家の小平泰子さんと、夜も遅くなりましたが、打ち合わせをしました(酒を飲みながら)。
9日(木)小平さんのレッスン場で「手造り黒豆みそ」を、そして「手造り長谷川みそ」との合わせみそでの料理を、ビデオとスチールで撮りました。
小平さんが言うには、私のみそは、あまりいじらないで、みそのおいしさを生かした料理がおいしいとの話でした。
翌10日、京都から山形に帰りました。
12月1日に私のこのホームページに一部動画入りで「手造り黒豆みそ」の料理レシピをupします。また、携帯サイトでも見てもらえるように準備中です。また、このホームページ内の商品に関する内容もあわせて変更になりますので、よろしくお願い申し上げます。
青森県から北海道へ
先月のコラムでふれましたが、8月から9月へ、月をまたいでしまったので、今月書かせていただきました。
8月28日(木)私のみその原材料のお米を作ってくれている青森県の木村秋則さんに会いに行きました。朝7時45分、山形からバスで仙台まで、そしてまたバスで弘前に行きました。到着したのは、午後1時50分でした。木村さんは、バス代金は安いから、いつもバスで来いと言っています。
リンゴ農家として、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀に出演してから、さらに超多忙の日々が続いている様です。夜、4時間ほど、弘前駅前でお酒を飲みながら、二人でいろんな話をしました。農薬も肥料も使わない自然栽培の普及について、これからどうしていくのかについて、私に話をしてくれました。「私もついていきます」と言ったら、木村さんは「はっせ(長谷川)、はっせもいっしょにやるんだよ」と言った。私は農家でないので、加工業者の立場でいろいろと行動していきたいと思っています。(弘前泊)
8月29日(金)朝6時過ぎ、弘前駅からJRで札幌へ、昼食を急いでして、旭川駅まで行きました。午後4時、私のみその大豆を作ってくれる佐藤剛裕さんが迎えに来てくれました。去年(平成19年度)の大豆は、温暖化の関係もあって、作柄が余りよくありませんでした。今年の大豆は、収穫が終ってみないとわかりませんが、まあまあの出来と感じました。
夜、佐藤さんと酒を飲みながら、きのう青森の木村さんの話にあった自然栽培の普及について少し話しました。木村さんも佐藤さんも私も仲間です。(剣淵町泊)
8月30日(土)佐藤さんと佐藤さんの友人の本田さんが、車で宗谷岬を案内してくれました。北海道に毎年来ているのですが、久しぶりの観光でした。
夜、旭川で三人で食事をして、夜11時過ぎ札幌駅に着きました。(30日・31日札幌泊)
9月1日(月)私の仕込味噌の大豆を作ってくれている井伊秀一さんと会いました。北海道の農業経営も大変きびしく、一体これから日本の農業はどうなっていくのか考えてしまいます。私は井伊さんによい作物を作るのも大事だが、自分で売る力を持つ事も大事だと、いっしょに酒を飲みながら話をしました。(新篠津村泊)
9月2日(火)夕方仙台空港に着き、仙台からバスで山形に帰りました。毎年、いろんな事を感じ、考えさせられる青森・北海道行でした。
「手造り 特特みそ」販売終了について
8月28日(木)~9月2日(火)まで、お米と大豆の栽培確認のため、青森県と北海道に行っています。詳細は10月1日のこのコラムに書かせていただきます。
さて、本題の件ですが、12月1日より新製品を投入するため、『手造り特特味噌」を販売終了とさせていただきました。小さな味噌屋なので、みそをねかせる場所もおけも少なく、たくさんの量を造れません。「手造り長谷川みそ」「手造り特特みそ」「手造り特みそ」を造ってきましたが、さらにみそを一種類追加するのは無理な状況なため、「手造り特特みそ」をやむなく終了させていただきました。
「手造り特特みそ」のご愛用のお客様には、この件についてご説明申し上げてきましたが、ご連絡のつかないお客様もおられますので、このコラムをもって、長い間のご愛用に深く感謝申し上げると共に、改めて、これからも、長谷川の山形仕込味噌をよろしくお願い申し上げるしだいです。
疲れました。
7月は、ほぼ毎日麹造りの都合で、朝4時30分に起床し、製品みそや、個人の自家用仕込味噌の味噌造りをしておりました。
麹は生きものです。麹を造るのに4日間かかりますので、みそ造りは休んだ日でも、麹の作業はしておりました。体がくたくたになるまで働き、疲れました。8月下旬からまた製品みその仕込みに入ります。
私のみそ造りは、気力・体力・勘です。一生けんめいつらい仕事をしていると、いろんな物が見えてきます。特に、生きものとかかわっている仕事は、みそ造りもまさにそうですが、理屈では説明できない部分があります。どうして、私のみそはこの様な味になるのか、説明ができないという事もそのひとつです。
みそは加工食品ですので、みその自然の味は存在しません。でも、私は、自然のおいしさを求めて、原材料も製造法も少しでも自然に近づけ様と、努力しております。
まさか
6月14日(土)朝5時半から、いつもの様に仕事をしていた。午前8時43分ごろ、突然、グラッときて、しばらくゆれている。地震である。私は、お釜の火を急いで消した。地震がきてビックリしたが、それ以上にビックリしたのが「まさか」である。山形では、6月25日、中山町(山形市の隣にある町)に大きな地震が来ると、インターネット上で情報が飛びかっているとの話を知人に聞いたばかりであった。とっさに中山町は大丈夫かなぁと思った。実際は、岩手・宮城内陸地震であった。
「まさか」にも、絶対にありえないと考えてる「まさか」と、もしかしたら、あるかもしれないと考えられる「まさか」がある。今回は後者であった。中国・四川大地震、そして、岩手・宮城内陸地震。そして、地球温暖化問題。私達は、まさかそんな事はありえないと考えることから、まさか本当にあったりしてと考えなければならない時代を迎えたのかもしれない。
私は、今度もっと大きな地震がきたら、仕事場が壊れてしまうのではないかと心配したり、地球温暖化によって、これから大豆やお米が今までのように順調に入手できなくなるのではないかと、不安を抱いたりしている。原材料が入らなければ味噌は造れない。お客様が私の味噌をまっている。そして、私にも家族の生活がある。
「まさか」をいつも心のすみにおいて、いろいろと手を打っていかなければならない時代になったのかもしれない。
仕込味噌
私の事業所名が、「長谷川の山形仕込味噌」と言います。仕込みという用語は、国語辞典に「酒、みそ、しょうゆなどをつくるために、原料をまぜ合せておけなどに入れること」と書いている。
かんたんな話が、仕込味噌は熟成していないので、すぐにたべられないみそである。
私の家はもともとが麹(こうじ)屋です。昔から山形の各家々では麹屋さんから、麹を買って、大豆を煮て、塩とまぜて自宅のおけに入れて、重石をして、熟成させて、おいしい自家製みそをたべていました。
今では、自分でつくる人は少なくなり、麹屋さんに仕込味噌をつくってもらい、自分の家のおけにねかしています。
4月から7月まで、その仕込味噌を、製品みその合間をぬって造っています。毎年、注文の量も少しずつ減ってきました。どこかで仕込味噌も大きく減ってくるのではないかと考えていましたが、どうも今年が転機の始まりになってきそうな気がしています。お客様も高齢となり、原料高燃料高で食品が相次いで値上げになり、一番大きい要因は後期高齢者医療制度による年金の天引きで、さいふのひもが固くなってしまい、造る量が減ってきました。
今のご年配の方々は、生まれた時から、手造りの自家製味噌を毎日味わってきました。仕込味噌の衰退は、手造りを実感できるチャンスを失う事と同じ事です。また、「手造り」が遠くに行ってしまいそうです。
ラベル
4月19日(土)、山形デザイン専門学校の後平先生、鈴木先生と学生さんが、私のみそ造りの見学に来た。前期の授業で、私の味噌の「ラベルのデザイン」がテーマとして取り上げられた。ラベルのデザインは今まで、ラベル会社のデザイナーの人に作ってもらっていたが、今回は若い学生さんがデザインしてくれる事になった。11月にラベルを一新する予定である。若い感性でどんなラベルデザインに仕上がってくるのか、一抹の不安を感じながらも、楽しみに待っていようと思う。
さて、4月26日(土)、27日(日)、パシフィコ横浜展示ホールCで「スローフード 2008」が開催された。山形スローフード協会の一員として参加した。大勢の仲間といっしょに「スローフード山形」のブースで、ワイワイガヤガヤと楽しんだ。
食べ物は、おいしくて楽しいのが一番である。
小さな自営業
4月1日、ガソリンの暫定税率が 1L当り25円下がる。今日3月31日朝、テレビを見ていたら、ある地方の小さな家族経営の石油店(ガソリンスタンド)の人が、インタビューで、「3月仕入れしているガソリンを、4月にすぐ下げる事はできない。」と。そこのガソリンスタンドの人は、田畑を耕して、食糧を自給しているので、どうにかやってこれたという話をしていた。
小さな自営業は、私を含めて、自分の生活ができるかどうかの所で働いている。お金もうけなど無縁である。人が少なく、車も少ない地域でも、ガソリンスタンドは必要である。でも、仕事量も収入も少ない。こういった所に大手のガソリンスタンドはやってこない。必要性があるから、それでもそこで仕事をしている人たちがいる。
グローバル化の中で、自由競争の名のもとで、ありとあらゆる分野で、小さい所が無くなっていく。私のいる味噌業界も、バイオ燃料のあおりで、輸入大豆が急騰し、味噌で使用されている遺伝子組み換えをしていない Non-GMO 大豆が少なくなっている。ある人の話では、「大手の味噌屋さんは、海外で契約栽培しているが、入札で買っている味噌屋さんは、品薄状態で、大豆の確保が大変。みそに使われている大豆は、95%輸入で、残りの5%の国産大豆も引っぱり合いになるのではないか」という事であった。大豆が入らなければ、みそは造れない。
私は妻と二人の小さな自営業者である。このまま進めば、そのうち自営の農家も農業法人になり、ありとあらゆる分野で自営業はなくなっていくのだろうか?
山形スローフード 2月の行事
2月27日午後1時より、一泊二日の予定で、雪深い山形県米沢市で、山形スローフード協会主催「雪菜」の収穫体験と「楠本農活性化塾」が行われた。楠本先生は元山形大学農学部教授(元山形スローフード協会員)で、定年で退官されているが、今回わざわざ来てお話をしてくれた。楠本先生は「集落農業と農業法人」のお話をされたそうで、私は残念ながら聞けなかった。私は用事があって、小野川温泉での夜の部からの参加になった。
夜の部は、活発な意見交換の場となった。国の米の減反政策の話になり、農家の人から、実際、今、行われている減反の内容を聞いて??? 政策がころころ変わり、去年と今年でも、随分違う様だ。しかも、連帯責任などという江戸時代のような現実が出てきたと。そんな中、ある人が、米の減反解消につながる情報が入ってきたと教えてくれた。山形スローフード協会として、減反しないで減反を回避する方法について検証してみようとなった。それで、その情報はマル秘になった。
いろんな話をたくさんして、勉強にもなった。そして楽しかった。又、こんな話も出た。「都会では何をするにも、お金がかかる。自分の時間を犠牲にしてでも、お金を稼いでいる。でも、収入が少なくとも僕たちには自由に使える時間がある。どちらがしあわせかわからないなぁ」と。
私は、2月29日朝、山形7時11分発の東京行きの新幹線の中で、この原稿を書いている。都会の良さも地方の良さも、都会のきびしさも地方のきびしさも、行ったり来たりして実感している。生き方の問題である。私は、「都会がいいとか地方がいいとか」はっきりしている人が、しあわせかも知れないと思う。
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