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今月のコラム

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無題

更新日:2001.08.01

7月のコラムで書いた、たつのこ保育園の加藤先生からお手紙をいただきましたので、一部を紹介したいと思います。

「先日はお忙しいところ、子供達のために時間を作っていただきありがとうございました。お陰さまで『ゆでたての豆のにおい』『くり、かぼちゃ、くるみの味がした豆』を子供達と思い出しています。そして『豆には味がある。砂糖、しょう油をつけない、本当の豆の味を忘れないでほしい。」と教えていただいた事も、6月の誕生会の『みそ工場見学の劇ごっこ』では、おじさん役のたくろう君が話してくれました。楽しかった思い出だからこそ、劇ごっこに発展していったんだと思って、本当に感謝しています。」
 自然のもつ素材のすばらしさを、少しでも子供達にわかってもらえてうれしいです。

 先月からの食の安全の話にうつります。HACCPやISO等の高度な技術・技法をもった立派な大工場が、日本にはたくさんある。問題は、その食品の原材料が何を使っているのか?製造方法がどの様になっているのか?そして実際に見て理解できるか?という事である。現実的には不可能であろう。原材料は正直に言えばいいが、製造方法は、添加物を含む様々な技術を駆使して、しかも工場見学と言っても見て理解できるものではない。とにかく信用するしかないのである。
 雪印事件、最近ではスナック菓子で著名な大手数社が、ポテトスナック菓子で日本では遺伝子組み換え未承認の原料じゃがいもをアメリカ、カナダで承認されているとして使用していた事件。私は皆様に言いたい。食の安全は、自分で守るものである。相手を全面 的に信用して食べ続けるのか。それとも、自分の知識の範囲でその食品の成り立ちを理解確認できるものを食べるのか。皆さん、思い出してほしい。昔は身近な所に食べ物があった。近所にとうふ屋さんがあったり、天ぷら屋さんがあったりして、毎日のぞいていたんじゃないですか。多少大変だけれど、自分の身近な所に食品を引き寄せてみてもよいのではないでしょうか!

仕込味噌(3)

更新日:2001.07.01

6月19日(火)
山形市内のたつのこ保育園の園児19名と先生2名が、みそ造りの見学に来た。今年、園の畑に大豆を植えたので、大豆を使った食べ物を勉強したいとのことであった。お釜で無農薬北海道大豆を煮る所と、煮た大豆をチョッパーで切る所を実際に見てもらった。煮た大豆や切った大豆を園児に食べてもらった所、「くりの味がする。」「かぼちゃの味がする。」「きなこみたいだ。」と、大変おいしいと大好評であった。味付けしていないただの大豆であったが、素材の味の大事さを再認識した。一人の先生が「昔、おばあちゃんが家でみそを造っていた。大変なつかしい。」とおっしゃった。

食の安全は、製造過程がわかっていれば、理解しやすい。製造過程が簡単であれば、わかりやすい。自分の理解できる範囲の中で食べ物が生産されていれば、理想であろう。
次回、このつづきを書きたい。

たつのこ保育園の皆さまが帰る所です。山形交通の路線バスの時間が迫り、てんやわんやの帰路になった様です。雨降りの日、大変ご苦労様でした。ありがとうございました。

たつのこ保育園の皆さまが帰る所です。山形交通の路線バスの時間が迫り、てんやわんやの帰路になった様です。雨降りの日、大変ご苦労様でした。ありがとうございました。

5月23日(水)
伊豆大島から、無農薬みそに使用している深層水の塩「ハマネ」と、特特みそに使用している「島の塩」を製造している深層海塩(株)の三間社長が、山形を訪ねてくれた。二人で地元生協を訪問し、植田商品企画室長にお会いして、深層水の塩の説明をしました。夜、二人でじっくりいろいろな話をしました。

6月25日(月)
山形県遊佐町の契約栽培農家より、電話がありました。無農薬無化学肥料「ササニシキ」の田んぼに、今年もホタルがやってきたとの事でした。

6月30日(土)
北海道の契約栽培農家より、電話がありました。今年も温度が高く、しかも雨が少なく、大豆が発芽しなくて、やむなく他の作物に植え直した地域がでているとの事。私の所はだいじょうぶとの事。ホッ。

仕込味噌(2)

更新日:2001.06.01

私は今、仕込味噌(自家製手づくりみそ)をorder・madeで受けて、山形の各家庭のおけに仕込んでいます。毎日朝4時半に起床し、5時にお釜に火を入れます。お湯になるのに1時間30分かかります。仕事がおわるのが夜8時から9時の間頃です。毎日が肉体労働です。

代々続いてきた仕込味噌、それが時代の流れにより、新しい世代への継続がむずかしくなりつつあります。むしろ都会の人たちが、この仕込味噌の価値を見直してくれています。

私がやれる事は、スーパーの市販のみそより数段うまい仕込味噌を造る事、そして、安全で栄養的にも評価されるみそを造る事だと思います。製品みそを造って、皆様に食べていただいておりますが、庶民のみそ造り文化の山形での仕込味噌は、製品みそのためにも、永遠に存続させるつもりです。

仕込味噌(1)

更新日:2001.04.16

「仕込む」という言葉を辞書で引くと、酒・みそ・しょうゆなどを造るため、原料をまぜ合わせておけなどにつめこむと書いてある。味噌の場合は、大豆を煮るか蒸すかして、米又は麦で麹をつくり、塩といっしょにまぜて、おけにつめこむという事になる。この段階では発酵していないので、味噌としては食べられない。

3月のコラムで書きましたが、麹をつくるのは難しいので、一般家庭で仕込味噌を造る時は、麹屋さんから麹を買ってきて、大豆は自分で煮て、塩と混ぜて容器に入れるという事になる。これが自家製手づくり味噌である。

長谷川の山形仕込味噌は、完全無添加みそである。大豆を煮て、米をふかして(蒸して)麹菌をつけて麹にして、塩といっしょにまぜて、おけに仕込んで熟成を待つだけ。ここに添加物を入れる必要はまったくない。なぜならば、昔からみそ造りに添加物はなかったからだ。

次回から数回にわけて、仕込味噌について書いていきたい。

麹(こうじ)の里

更新日:2001.02.28

私の住んでいる印役(いんやく)・山家(やんべ)の地に、天平9年(737年)蝦夷(エゾ)征伐のため、聖武天皇が大野東人(オオノアズマンド)を派遣しました。統治するために印鑰明神宮を参議従三位 大野東人朝臣が創建しました。その時に麹の製法が伝えられ、東北六県の中で、みその縁起として一番古い歴史を伝えている土地です。また、江戸時代の元和8年(1622年)山形城主鳥井忠政は、この印役と山家に製麺と製紙の無税専売を許しております。

昔、麹屋さんから麹(こうじ)を仕入して売っている売り子さんがいました。冬の季節は、ソリに板こうじをのせて、県内にこうじを売っていました。代金としてお米をもらって、ソリにのせて帰ってきました。雪のない季節は、馬車や肩にせおってこうじを売っていました。そのうちリヤカーを使うようになりました。

こうじは、みそ造りやつけもの・甘酒・どぶろく酒等に広く使われておりました。今でも麹屋さん(もちろんみそを造っています)が集合している日本でも珍しい地域なのです。県道山寺街道、松尾芭蕉の「しずけさや 岩にしみ入る 蝉の声」で有名な立石寺のある山寺が終点です。最近は、印役みそ街道と呼ばれるようになりました。

無題

更新日:2001.02.01

1月15日(月)
大豆関係で北海道から佐藤さん・井伊さん、米関係で青森県から木村さん、日本海の秋田県境の山形県遊佐町から真嶋さんが、契約栽培グループの代表として山形に集まって来ました。夕方、山形県生活協同組合連合会の伊藤寛会長宅を訪問し、伊藤会長と奥様を交えて、様々な意見交換をさせていただきました。その後、市内の飯田温泉に宿泊し、大豆や米の無農薬栽培・有機栽培や新JAS法、そして様々な農業の現状について、活発な意見交換をしました。

1月16日(火)
午前10時、山形県醤油味噌工業協同組合に清野事務局長を訪ね、大豆や米の意見交換をし、また清野事務局長より、味噌に関してご指導をいただきました。用事のため、遊佐町の真嶋さん帰路。私も含めて残り4人は、午後1時より、日本の有機農業の草分け的地域の一つである山形県高畠町に、上和田有機米生産組合(組合長菊地良一、顧問星寛治)の菊地組合長宅を訪問し、組合長そして組合長のお母さん・息子さんを交えて、農業について3時30分まで様々な意見交換をさせていただきました。組合長の年老いたお母さんが、我々に「農業って、いいべぇ。」とおっしゃった事が、心に残っています。
山形市に戻り、北海道の井伊さんが帰路。私を含めて残り3名は、お取引先の山形県学校生活協同組合の佐藤常務理事・平沢業務部長を訪問し、大豆や米、そして味噌の話をさせていただきました。飯田温泉に戻り、今夜は無農薬みその大豆を作っている北海道の佐藤さん、米を作っている青森の木村さん(無農薬無肥料栽培のりんご農家として有名な方です)と私3名で、昨日の話の続きをしました。

1月17日(水)
午前10時。お取引先の生活協同組合共立社の山形本部を訪問し、熊谷常務理事・植田商品企画室長を始め、ご3名様と、北海道の佐藤さん・青森の木村さんと私3名で、無農薬及び有機栽培について、そして無添加・手づくりのみそについて、11時30分まで意見交換をさせていただきました。昼食後、3人で仙台まで行き、お互いに別 れました。

北海道の佐藤さんは、春の作付けから有機栽培大豆に入る。青森の木村さんは、何年も前から、ずっと米を無農薬無肥料栽培で作り続けている。山形県遊佐町の真嶋さんは、鳥海山のふもとに湧水の出る土地を探し、ササニシキの有機栽培を考えている。

私のために、いい物を作ろう、安全でうまい大豆や米を作ろうと必死に努力している。長谷川の山形仕込味噌は、契約栽培の皆さんの必死の思いがこもった大豆や米で出来あがっている。私の責任は重い。

無題

更新日:2001.01.01

21世紀、新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。本年もそして21世紀もよろしくお願い申し上げます。

さて、20世紀最後のクリスマスの日、夕方仕事を終えて、妻とスーパーに買い物に行った。夕食を作る時間がなくなり、店内で別 々に買い物をして車に戻った時の妻の話。それは納豆売場での30代前半の夫婦の会話だった。

夫・「遺伝子組み換え大豆を使用していない納豆を買おう。」
妻・「うん。」と言って、いろいろ手に取って見ている。
夫・「あっ!これ、有機無農薬大豆使用と書いてある。でも、どこの産地の大豆だかわからないなぁ?」
妻・一生懸命探して「あっ、これは山形の地豆使用と書いてある。これにしよう!」
夫・「うん。」

私の妻もそれと同じ納豆を買ってきた。
ところで、そう言えばたまに生協にみそを持ち込んで直接売っている。500gの無農薬みそのカップを、20代30代の人たちが、何も言わず黙って買っていく。不思議に思っていた。添加物に生まれた時から汚染されてきた世代の人たちが、今一番安全を気にしている。自分もアレルギーに悩み、生まれてきた子どもたちも病んでいる。20世紀は「飽食」という名の食の崩壊で終わったのかもしれない。

私は、今年の年賀状にこう記した。21世紀も「本物の時代」を一心に念じ、人生を全うしたいと。

無題

更新日:2000.12.05

今年も、もう12月になり、20世紀最後となりました。11月20日よりホームページを開設しましたが、今月より毎月「今月のコラム」を掲載することになりました。末永くよろしくお願い申し上げます。
20世紀は創造と破壊の世紀でした。20世紀末の現在は、破壊の状況へと向かっていると思われます。創造のための破壊であって欲しいと思います。
私の家では、江戸末期「おとま」というおばあさんが、麹(こうじ)を取り扱う仕事を始めたのがはじまりでした。我が家の20世紀は、おとまばあさん、そして初代市次郎、2代目市治郎、3代目市十郎、そして私が4代目裕市として、どちらかと言えば貧乏商売で、細々と庶民のみそ造りに関わってきました。21世紀、みそはどうなっていくのか?食と食文化を考えながら、21世紀を迎えようとしています。

【お知らせ】
みそを売っているお店はどちらですかとのお問い合わせがありました。以下のお店で取り扱っております。

店名

「やまがたプラザゆとり都」 特みそ・特特みそ・無農薬みそ 各500gカップ入り

住所

千代田区霞ヶ関3-8-1 虎ノ門三井ビル1F

TEL

03-3504-8711

FAX

03-3504-8744

営業時間

AM10:30~PM7:00 土日・祝祭日休み

交通

地下鉄虎ノ門駅徒歩1分

お願い

みその展示数が少ないので、お電話にて在庫をご確認の上、お出かけ下さい。

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