今月のコラム
column寒仕込み
朝6時、お釜に水を入れて、バーナーに火をつけてお湯をわかします。気温は氷点下。7時30分にやっとお湯がわきました(写 真)。90分かかります。
大豆を煮るために、木のふたをかぶせているお釜に大豆を入れ、麹(こうじ)造りのためにステンレスのかんに、抜掛法と言って、何回かに分けて米を入れて、ふかします。この90分の時間にも、並行的に様々な作業をしています。夕方5時まで、とにかくいろいろな仕事が続きます。
寒仕込みの時に一番困る事は、写真を見てわかる様に、お釜に火が入っている間、湯気が仕事場一面 に立ちこめますので、何も見えなくなります。よって仕事場の窓や戸をあけます。室内も外も同じ状態になります。すなわち、冬なのです。手造りとは、長時間肉体労働・少量 生産なのです。
さて1月の話題と言えば雪印。次回のコラムで書きたいと思います。ただ一言、私がいつも言っていますが、この地球上で今も食べものの確保のために、動物の世界、植物の世界で生存競争がくりひろげられています。無防備と無責任は死を意味しています。たべものの確保とたべものの安全性は、自分の生死にかかわるのです。もう一度、たべものについて真剣に考えてほしいと思います。
無題
新年あけましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。
今は誰もが「変革の時」だと思っている希な時代である。最近では明治維新・第二次世界大戦前後である。破壊と創造である。
食べ物を考えた場合、変わらない食べ物・変わった食べ物がある。たとえば、米とかみそは永い間食べられてきた。時間のスパンを考えると、あまり変化していない食べ物である。今、話題になっている牛肉等は明治時代になってから日本人が食べ始めたが、狂牛病問題が出てきた。
私は、安全でおいしく、からだに良いみそを提供したいと微力ながらがんばっています。今年は変わらなくてもいい部分と変わっていくだろうと思う部分を、じっくり考えていきたいと思う。
「普遍的な価値と新しい価値」である。
今年はうま年で、私も48歳になります。精一杯努力しますので、皆々様のあたたかい御厚情をよろしくお願い申し上げます。
11月28日(水)~30日(金)
午後1時30分から3時
幕張メッセで、農林水産環境展2001が開催された。私は3日間、語らいステージコーナーの企画運営を担当した。28日は「契約栽培の仲間たち」のテーマで、午後1時30分より農林水産環境展実行委員会の企画委員で環境新聞社編集局長 小峰且也様の主催者あいさつで始まった。私がコーディネーターとなり、私のみその契約栽培の農家の皆さんが話をした。米関係では、青森から木村秋則さん、山形から佐藤専一さん、真嶋一さんが話をした(山形新聞参照)。
大豆関係で、北海道の池田さんが「農薬を使わずに畑の土をつくり、作物を育てることが、人の生命を守ることに結びつくと思う」、井伊さんが「私の育てたものを食べた人に健康に暮してほしいとの思いに取り組んでいる」と語り、北海道新聞に紹介された。また、「わが家の食卓がガラリと変わるたべもの発見ガイド」の著者の丸谷馨氏も参加してトークショーを行なった。塩関係で(株)深層海塩の三間社長が塩の話をした。そのあと聴衆の皆さんとの質疑応答をした。
29日は「無農薬・無肥料 木村秋則の世界」のテーマで私が司会となり、木村さんが自分の農業人生を語った。質疑応答で、脱サラして農業を始めた若い男性が「木村さんの農業人生に感銘を受けた。私もがんばりたい」と、また若い女性の人は「私の店でも、安全でおいしいものをお客様に伝えたい」と語った。
30日は「わが家の食卓がガラリと変わるたべもの発見ガイド」のテーマで、私が司会を担当し、作家の丸谷馨氏が講演をした。
私たちが3日間行なった語らいステージコーナーと物産コーナー(6社)は、一抹の清涼剤となり、農林水産環境展の「心の癒し」となったのかもしれない。
私は初めて幕張メッセの大きな会場に来た。よくテレビでみる企業の展示ブースの風景があった。でも、そこには、やや元気のない企業戦士の姿があった。もっと元気が欲しい。楽しさが欲しい。やっぱり収穫を祝う村の秋祭りだ。祭りだ、祭りだ、豊年祭りだ。
ワッショイ!ワッショイ!
無題
10月25日(木)
石川島生活協同組合の生協まつり(26日~28日)のために、山形県食品産業協議会の会員企業が上京。夜、生協の皆様から歓待を受け、楽しいひとときを過した。
10月26日~28日
いよいよ生協まつりが始まった。店頭・店内で会員企業10社が山形物産コーナーで自社製品の販売を行なった。また、いも煮会をやり、肉は置賜畜産公社の米沢牛を使って大好評であった。生協の皆々様のあたたかい御厚情にふれ、心から御礼申し上げます。
- 農林水産環境展2001 -
11月28日(水)~30日(金)、日本コンベンションセンター(幕張メッセ展示ホール8)にて、農林水産環境展(主催・農林水産環境展実行委員会/後援・農林水産省、環境省、全国知事会、他)が開催されます。農業・畜産業・林業・水産業において「自然と共生を目指して」のテーマで、たくさんの出展ブースが出ます。長谷川の山形仕込味噌は、無農薬・減農薬関連で、物産コーナーに出展しております。特みそ・特特みそ・無農薬みその試食販売をしております。また、主催者の特別 企画コーナーで「語らいのステージコーナー」の企画運営をする事になりました。
(http://www.kankyo-news.co.jp/efaff/)
●11月28日(水)13:30~
「契約栽培の仲間たち」
講師:長谷川裕市(長谷川の山形仕込味噌)
※北海道・青森・山形から、契約栽培の仲間がやってきて、ステージでトークショーを行ないます。
●11月29日(木)13:30~
「無農薬・無肥料 木村秋則の世界」
講師:木村秋則(りんご・米農家)
司会:長谷川裕市
※木村さんの、無農薬無肥料栽培にかけた農業人生を語ります。
●11月30日(金)13:30~
「わが家の食卓がガラリと変わるたべもの発見ガイド」
講師:丸谷 馨
司会:長谷川裕市
※ノンフィクション作家 丸谷 馨 氏が、北は北海道から南は奄美・小笠原まで日本全国を取材した本から、食の安全とおいしさについて、様々なエピソードを語ります。
ぜひお時間があれば、お出かけ頂ければ幸いです。12月のコラムに報告します。
無題
9月10日(月)
旭川空港にお昼に到着。台風のため雨。佐藤さんと鈴木さんが迎えに来てくれた。車で1時間30分、上川郡剣淵町に着いた。無農薬大豆の畑を見に行った。富養土が一面 、黄土として流れ出しており、佐藤さんが言った。「あぁ、もったいないなぁ。」と。
去年の夏は30度を越す真夏日の連続であった。今年は一転、夏らしい夏がなかったそうだ。農業とは、自然とのつきあいである。作物は作物で、子孫を残すために必死で生きている。よほどの状況でない限り、暑くとも寒くとも生きているのである。
大豆の根・葉・茎・さや・実はかじって中味を確認した。北海道のきびしい気候風土の中で、私のみその大豆は育っている。剣淵生命を育てる大地の会の事務所を訪れ、意見交換をして、夕方食事をいっしょにした。その後、旭川に移動し、佐藤さんとゆっくり話をした。
9月11日(火)
台風の中、移動。石狩郡新篠津村の井伊さんと会った。夜、ゆっくり話をした。井伊さんの大豆を使った納豆が今年、全国納豆コンテストで優秀賞をもらったとの事。
9月12日(水)
今日も雨、井伊さんと新篠津村農協を訪問。農産部の皆さんと意見交換。農協でみそを造って販売しているそうだ。そのあと、新篠津村クリーン農業推進センターを訪問した。土壌分析や波動を調べる機器があり、今回は、波動測定の説明を受けた。実物は、初めて見た。後日、井伊さんの大豆で試作している私のみその波動が20であったと電話連絡を受けた。みそで20とは大変高い数値でおどろいたそうだ。井伊さんの大豆は、減農薬減化学肥料で、昔からの山形の地元の仕込味噌に使っている。栄養価が高く、からだに良い大豆を作りたい。これが井伊さんの考え方である。井伊さんの大豆畑に行き、大豆を確認させてもらった。今年は、寒暖がはっきりしており、味が良いとの事である。
夕方、札幌で北海道自立推進協議会の野口先生と会った。農事組合だよりで毎年取材を受けており、今年も、いろいろとすきな事を話してしまった。野口先生が、若かりし頃の農業運動の話をしてくれた。馬ぞりの馬がふぶきでも帰路の道を知っており、仕事がおわると冬の夜空のそりで、人は歌をうたいながら、馬はまっしぐらに家路に急いだ。私のみそ造りは、多くの人の善意と労苦に支えられている。私のみそ造りは、農家の皆さんといっしょだ。自然が相手なのだ。
無題
8月22日(水)
山形県食品産業協議会のメンバー6人で、石川島生活協同組合を訪問し、中田常務理事様はじめ皆様と懇談。東京に台風が来ており、大変だった。
8月23日(木)
岩崎通信機消費生活協同組合会、大日本インキ生活協同組合を訪問。
8月25日(土)~27日(月)
無農薬みその原材料である青森県無農薬無肥料米「あきたこまち」の契約栽培農家の木村秋則さんを訪問した。木村さんと会うと、いつもとことん話をします。話が多くて終わらないのです。今年の稲作の状況はまあまあでした。ついでにりんごも見に行きました。津軽はりんごの産地で、どこへ行ってもりんごだらけです。木村さんのりんごは無農薬無肥料栽培です。りんごの葉は虫に食われ、木村さんのりんご箱の絵柄にあるしゃくとり虫も元気でした。りんごも虫に食われたもの、食われないもの、いろいろです。私は山形に帰路の途中、2ヶ所程他のりんご畑をみました。りんごの木の上の方の葉先は、少々虫に食われておりましたが、その他はおおむねきれいでした。袋をかぶせているりんごも多く、見た目はすばらしいりんごになるでしょう。皆さん、農薬を使ったりんごと木村さんのりんごの違いをどう理解されますか。
無題
7月のコラムで書いた、たつのこ保育園の加藤先生からお手紙をいただきましたので、一部を紹介したいと思います。
「先日はお忙しいところ、子供達のために時間を作っていただきありがとうございました。お陰さまで『ゆでたての豆のにおい』『くり、かぼちゃ、くるみの味がした豆』を子供達と思い出しています。そして『豆には味がある。砂糖、しょう油をつけない、本当の豆の味を忘れないでほしい。」と教えていただいた事も、6月の誕生会の『みそ工場見学の劇ごっこ』では、おじさん役のたくろう君が話してくれました。楽しかった思い出だからこそ、劇ごっこに発展していったんだと思って、本当に感謝しています。」
自然のもつ素材のすばらしさを、少しでも子供達にわかってもらえてうれしいです。
先月からの食の安全の話にうつります。HACCPやISO等の高度な技術・技法をもった立派な大工場が、日本にはたくさんある。問題は、その食品の原材料が何を使っているのか?製造方法がどの様になっているのか?そして実際に見て理解できるか?という事である。現実的には不可能であろう。原材料は正直に言えばいいが、製造方法は、添加物を含む様々な技術を駆使して、しかも工場見学と言っても見て理解できるものではない。とにかく信用するしかないのである。
雪印事件、最近ではスナック菓子で著名な大手数社が、ポテトスナック菓子で日本では遺伝子組み換え未承認の原料じゃがいもをアメリカ、カナダで承認されているとして使用していた事件。私は皆様に言いたい。食の安全は、自分で守るものである。相手を全面 的に信用して食べ続けるのか。それとも、自分の知識の範囲でその食品の成り立ちを理解確認できるものを食べるのか。皆さん、思い出してほしい。昔は身近な所に食べ物があった。近所にとうふ屋さんがあったり、天ぷら屋さんがあったりして、毎日のぞいていたんじゃないですか。多少大変だけれど、自分の身近な所に食品を引き寄せてみてもよいのではないでしょうか!
仕込味噌(3)
6月19日(火)
山形市内のたつのこ保育園の園児19名と先生2名が、みそ造りの見学に来た。今年、園の畑に大豆を植えたので、大豆を使った食べ物を勉強したいとのことであった。お釜で無農薬北海道大豆を煮る所と、煮た大豆をチョッパーで切る所を実際に見てもらった。煮た大豆や切った大豆を園児に食べてもらった所、「くりの味がする。」「かぼちゃの味がする。」「きなこみたいだ。」と、大変おいしいと大好評であった。味付けしていないただの大豆であったが、素材の味の大事さを再認識した。一人の先生が「昔、おばあちゃんが家でみそを造っていた。大変なつかしい。」とおっしゃった。
食の安全は、製造過程がわかっていれば、理解しやすい。製造過程が簡単であれば、わかりやすい。自分の理解できる範囲の中で食べ物が生産されていれば、理想であろう。
次回、このつづきを書きたい。
5月23日(水)
伊豆大島から、無農薬みそに使用している深層水の塩「ハマネ」と、特特みそに使用している「島の塩」を製造している深層海塩(株)の三間社長が、山形を訪ねてくれた。二人で地元生協を訪問し、植田商品企画室長にお会いして、深層水の塩の説明をしました。夜、二人でじっくりいろいろな話をしました。
6月25日(月)
山形県遊佐町の契約栽培農家より、電話がありました。無農薬無化学肥料「ササニシキ」の田んぼに、今年もホタルがやってきたとの事でした。
6月30日(土)
北海道の契約栽培農家より、電話がありました。今年も温度が高く、しかも雨が少なく、大豆が発芽しなくて、やむなく他の作物に植え直した地域がでているとの事。私の所はだいじょうぶとの事。ホッ。
仕込味噌(2)
私は今、仕込味噌(自家製手づくりみそ)をorder・madeで受けて、山形の各家庭のおけに仕込んでいます。毎日朝4時半に起床し、5時にお釜に火を入れます。お湯になるのに1時間30分かかります。仕事がおわるのが夜8時から9時の間頃です。毎日が肉体労働です。
代々続いてきた仕込味噌、それが時代の流れにより、新しい世代への継続がむずかしくなりつつあります。むしろ都会の人たちが、この仕込味噌の価値を見直してくれています。
私がやれる事は、スーパーの市販のみそより数段うまい仕込味噌を造る事、そして、安全で栄養的にも評価されるみそを造る事だと思います。製品みそを造って、皆様に食べていただいておりますが、庶民のみそ造り文化の山形での仕込味噌は、製品みそのためにも、永遠に存続させるつもりです。
仕込味噌(1)
「仕込む」という言葉を辞書で引くと、酒・みそ・しょうゆなどを造るため、原料をまぜ合わせておけなどにつめこむと書いてある。味噌の場合は、大豆を煮るか蒸すかして、米又は麦で麹をつくり、塩といっしょにまぜて、おけにつめこむという事になる。この段階では発酵していないので、味噌としては食べられない。
3月のコラムで書きましたが、麹をつくるのは難しいので、一般家庭で仕込味噌を造る時は、麹屋さんから麹を買ってきて、大豆は自分で煮て、塩と混ぜて容器に入れるという事になる。これが自家製手づくり味噌である。
長谷川の山形仕込味噌は、完全無添加みそである。大豆を煮て、米をふかして(蒸して)麹菌をつけて麹にして、塩といっしょにまぜて、おけに仕込んで熟成を待つだけ。ここに添加物を入れる必要はまったくない。なぜならば、昔からみそ造りに添加物はなかったからだ。
次回から数回にわけて、仕込味噌について書いていきたい。
カテゴリー
新着情報
- 2023.12.01
- 今年も、ありがとうございました。
- 2023.11.01
- 送料・価格・表示
- 2023.11.01
- 商品ラベルを変更しました(11/1より)
- 2023.10.25
- 「商品価格」「送料」改定のお知らせ(11月1日より)
- 2023.10.02
- やっと夏が終わりそうです。
- 2023.09.04
- 8月も暑かった
- 2023.08.05
- 猛暑日は、続く。
- 2023.07.04
- 手造りみそは、肉体労働です。
- 2023.06.04
- 当店のみその原点
- 2023.05.05
- これでないと・・・