今月のコラム
column栽培方法のリレー
8月10日(木)青森県弘前市(旧岩木町)に手造り長谷川みその原材料のお米で木村秋則さんの所に、9月12日(火)北海道石狩郡新篠津村に山形の地元の仕込味噌の大豆で井伊秀一さんの所に、9月13日(水)北海道上川郡剣淵町に製品みその大豆で佐藤剛裕さんの所に栽培確認に行きました。
今年は、一つの区切りの年になりました。それは木村秋則さんとの出会いが、私のみそ造りに大きな影響を与え、やっとここまで来る事ができました。木村さんは岩木山麓で、農薬も肥料も使わないで、りんごを作っている農家です。私の「手造り長谷川みそ」の原材料のお米をずっと農薬不使用肥料不使用で作り続けてもらっています。木村さんと出会った当時は、私の頭の中は有機栽培でした。木村さんの考え方は、全く新しい考え方で、今、振り返ってみると私は本当に理解できていたのか自信がありません。でも、素直に追いついていきました。そして「手造り長谷川みそ」の原材料を作っている佐藤剛裕さん。最初に出会った時は、(旧表示)無農薬減化学肥料栽培でした。そして、無農薬無化学肥料栽培、JAS有機栽培、そして何年かの試作を続けて、今年やっと「手造り長谷川みそ」用の大豆が栽培期間中農薬不使用肥料不使用になる予定です。また、2008年秋冬に新発売予定の「手造り黒大豆みそ」の原材料の黒大豆(いわいくろ)も栽培期間中農薬不使用肥料不使用になる予定です。予定とは、まだ収穫しておりませんので。北海道の佐藤さんは青森の木村さんの指導を受けて努力してきました。木村さんはりんご畑に窒素を取り入れるため、大豆を植え、根粒菌を利用しています。大豆栽培にも詳しい方です。一つの区切りとは栽培期間中農薬不使用肥料不使用の考え方が木村さんから長谷川そして佐藤さんへとリレーする事ができた事です。
手づくりみそ
手づくりみそは、自然任せの部分が大きい。私の住んでいる山形市は、40.8℃という日本一の最高気温を記録している所です。いつも暑い夏なのだが、今年の山形は、7月末までやませの様な風が吹いていて、冷夏のようであった。みその熟成に必要な温度はあったが、褐変作用(みそが茶褐色に色づく)に必要な温度が足りなくて、みその色づきが遅れている。8月になって、山形らしい盆地のむかっとしたあつい気温になって、みその色づきが進みはじめてきた。
私はみそ造りの合い間に、「手造り長谷川みそ」のPRで紀ノ国屋さんと明治屋さんの売り場に立っている。お客様に良く声をかけられ、「長谷川さんには、いろんなみそを食べさせられている。」とおっしゃられ、またみそを買っていただいている。無添加・手造り・天然醸造のため、みその色づきや熟成度がいつも違っている。
みその製造技術は、ほぼ開発が終っていると言われている。製造技術の開発には、研究部門と設備が必要である。大手のみそメーカーさんには、かなわない。いつも一定の品質(みその色・熟成)と美味しさ(味の均一)のみそを製造出荷するのは、みそメーカーの一つの大事な使命である。私のみその様に買うたびに色も味も微妙に違っていては、今の流通での販売においては、やはり、むずかしいものがある。だから、売り場に立って「いつも違いますよ。」と説明しなければならなくなる。みそは、発酵食品で生きものなので、日々変化している。技術も設備もない、手造りの私には、あるがままをそのまま出荷するしかない。
さて、私はポータルサイトgooの環境のコンテンツの中の「食」のコーナーで「スローライフ談話室」を企画担当している。今回の第43話「食べ物が人生を変える」で、さかもと自然農園の阪本美苗さんが、大変貴重な話を書いている。そして第5話「大地に沿う暮らし」では、自分の手づくりの生き方を紹介している。ぜひ読んで欲しい。
ド根性桐の木 続編
皆さん! 皆さん! 皆さん!
見て下さい! この写真。
今月のコラム 2006.07.01up (写真は私が携帯電話で写したものです。)
7月は毎日雨やくもりで、しかも肌寒い日が続いていました。目の前に見えるのは、ブロックべいばかりでした。おそらく? 7月中頃にブロックべいの上に、桐の木の葉が見えだしたと思うのですが、まさか桐の木が生えてくるとは思っていませんでしたので、記憶が定かではないのです。7月31日毎年の様に個人のお客様の仕込味噌が終わり、夜、久しぶりに妻と食事にいってきました。おいしいビールを飲みました。この桐の木は、たぶん、また切られる事になると思われますが、来年またお会いし、お互いに精一杯生きるために、はげましあいたいと思います。
ド根性桐の木
切っても、切っても、桐の木はある?
私は、以前テレビで「ド根性ガエル」のマンガを観ていた。近頃、アスファルトを破って、大根が生えてきたとか言うド根性植物ばやりである。
私の隣りの敷地にも、ド根性桐の木がある。ピンクの鉄筋の建物とブロック塀の60cmの間の桐の木に今年も新しい枝が生えてきた。毎年、切っても切っても生えてくる。例年なら、7月下旬から8月初旬に隣りでは切るのであるが、今年は早々に切られ、姿を見せなくなった(「写真-2」)。そして「写真-3」の状態になった。また来年も「写真-1」の様に生えてくるのであろう。植物の生命力はすばらしい。
私は今、毎日みそ造りをしている。7月下旬まで休みがない。梅雨明けになると、疲労もピークに達し、毎日、「あと何日」とカウントダウンをしてしまう始末だ。カウントダウンしている最中にダウンしてしまいそうである。
桐の葉を見ていると、気温が高くあついとしなってしまうが、雨の日の次の日の太陽の日差しでは生き生きしている。私は毎日、桐の木に向かって、「今日はお互いに大変だねえ。」とか「今日は気持ちがいいねえ、がんばろう」とか声をかけていた。私の心のひとつの支えであった。今年は早くに切られてしまい。声をかける場を失ってしまっている。でも、桐の木の生命力、必死さに清清しいものを感じる。


小規模
私は妻と二人でみそを造っている。今、製品みその他に4月から7月までの間、地元のお客様に代々の仕込味噌を造っている。朝5時に起床し、夜は8時すぎまで働いている。肉体労働でしかも仕事量が多い。5月15日より、近くに住んでいる女性のパートの人に手伝ってもらっている。小さいという事は、生産量・売上高も少ないという事である。「家族の生活が成り立てば」というのが目標である。自分の食いぶちを確保できれば良く、他の人の分までは要らない。今で言うワークシェアリングである。まだまだ大変な状況あるが、皆様のおかげで売上が少しずつではあるが伸びてきた。生産量が増えてくると、肉体労働の量も増え、更にからだがきびしくなってくる。私はお金が無いので該当しないが、一般的には売れ始めると機械化をして、もっと生産量を上げていく事を考えていく。しかし、機械化をしていくと、別の次元の競争が待っている。機械化した企業間の競争である。より大規模で性能のよい機械を持っている所が勝っていく。しかも、機械化する事によって、今までと味が変ってしまう。「肉体労働が大変だから、効率が悪いから、もうからないから」と言って、今まで、イノベーションをくりかえし、競争をくりかえし、大きい所だけ勝ち残っているのが現状である。この競争システムの価値観を変える時が来ているのではないかと思っている。自分が造っているものに誇りが持てる、自分の仕事に誇りが持てる「本物の時代」をめざしていきたい。
スローフードフェア 2006
4月29日(土)30日(日)パシフィコ横浜展示ホールAにてスローフードフェア2006[テーマ:蘇れ! 日本の「大豆」](主催 スローフードジャパン・横浜スローフード協会)が開催された。横浜スローフード協会が2004年より初めて、第3回目が共催となった。パシフィコ横浜は、幕張メッセをひとまわり小さくした様なものだが、ここでこれだけのことをやれる横浜スローフード協会は、たいしたものだと思った。
北は北海道から南は沖縄まで、多くの地方のスローフード協会の会員と横浜スローフード協会の会員とがいっしょに多くのブースを構成し、様々な「スローフード」を展示した。来場されたお客様は会場の各ブースで様々なたべものを試食して、「ちょっと、違うねぇ。うまいねぇ」と言ってくれた。また、大豆や味の箱舟・お茶のセミナーや多くの食育教室が開かれた。いざ、この様な事で大勢の人が集まって、行動してみると、やっぱり、運動というエネルギーが「スローフード」に生れてきたなぁと感じた。「たべもの」がテーマのスローフード運動は、生き物や自分そして家族の存続に関わる問題であり、もっと輪を大きくしていきたいと思った。
日本のスローフード
食文化とは、時代の背景とともに変遷していく。江戸時代幕末から明治維新の近代化、第2次世界大戦以前と戦後の民主化、そして東西の壁の崩壊から続くグローバル化と、時代の変化とともに、大きく変ってきた。
食品の流通・保存方法の大きな変化により、日本には世界中から、ありとあらゆるたべものが入ってきている。第2次世界大戦以前は、保存食としての干物や塩漬け等地方の特色ある食べ物があったが、今や季節性・地域性を失っている。スローフードそのものの存在の確認・意義を見い出すのが、困難になっている。一体、「日本のスローフード」とは何なんだろうか。昔から続く伝統食品としても、そのスローフードの食品が、今の時代に存在する意義とは何なのだろうか。私の事業所名は、長谷川の山形仕込味噌である。仕込味噌と名乗っているのは、一般的な醸造会社としての味噌製造業ではなく、手前みその庶民の手造りみそを継承しているので、この名前を付けている。でも、その仕込味噌の継承がむずかしくなっている。いろいろと考え込んでしまう事が多い。
私の様な生産者・製造業者にも家族があり、生活があり、収入を自ら得ないと生きてはいけない。ならば、なおさらの事、生産者・製造業者が生きていけるスローフードとは、現実的にどういう物なのだろう? そしてそれが本当にスローフードと言えるのだろうか? スローフード運動はあっても、「スローフード」その物が存在しなければ、何の意味もない。「スローフード」を職業に選んだときそれはきびしい状況におかれる。覚悟ができているのだろうか。本気で努力しているだろうか。日本のスローフード運動が始動した今こそ、外国のスローフードではない「日本のスローフード」をもう一度考えてみなければいけない。
味の箱船「雪菜ツアー」
去年の12月2日東京の丸ビルで イタリアのスローフード国際本部「味の箱船」(アルカ)で、日本でノミネートされた9品目のうち、山形県では米沢市の雪菜と長井市の花作大根が選ばれた。
2006年2月4日より一泊二日で、山形スローフード協会は主都圏はじめ各地の会員と山形の会員40名で、味の箱船「雪菜ツアー」を行った。雪菜は米沢の冬の味覚として親しまれている。澄んだ辛みはごはんのおかずや酒のさかなにぴったしである。でも、雪が2m以上つもっている畑の中から、雪菜を収穫するのは大変な重労働である。(写真1)そして、その雪菜のふすべ漬講習会が近くの愛宕(あたご)多目的センターで行われた。(写真2)ふすべ漬の秘訣は湯通しの加減で、これ1つで辛みが出たり、出なかったりする。それを4日かけて塩づけにして食べる。
スローフード運動の1つに消えゆく恐れのある伝統的な食材や料理を守るという項目がある。雪菜は米沢市上長井生産組合がやっているが、私は山形市に住んでいて、1月から2月にかけて地元のテレビのニュースや新聞で毎年恒例の様に「雪菜の収穫」の様子を見ていたが、初めて雪菜を見て、食べて、それが消え去ろうとしている事を知った。
私は3月の今月のコラムで、「消え去ろうとしている食文化について」書きたいと思っている。
赤い糸
手造り特特みそに使用している山口県下関市大字吉母浜(日本海)で造られているし自然海塩「最進の塩」(海水100%)の研究技術部長の安部司さんから、1月初旬、一冊の本が「私の思いを本にしました。」の一言が添えられて送られてきた。題名は「食品の裏側」(著者 安部司・東洋経済新報社 本体1400円+税)で食品添加物の実態が書かれていた。安部さんは食品添加物の元トップセールスマンで、食品製造の舞台裏をよく知っている人で、今は無添加の世界にいる。実におもしろい本であった。
私は食の学校の代表をしている塩川先生[スローライフ談話室第12話「つくる人とつかう人の心の交わり」執筆]に安部さんの本を送った。1月24日夜塩川先生からFAXが届き、何とそこには「安部さんの本ありがとうございました。ご縁ですね。安部さんは食の学校のサポーターのひとりであり、実は安部さんをめっけてきたのは塩川です! 食の学校では何年も前からシリーズで彼の勉強会をやっています。実演が一番の人気です。ご縁があって嬉しいです。」と書いてあった。「無添加」というキーワードで私と安部さんが知りあい、そして塩川先生と安部さんが知り合いで三人がつながっている。私の妻が、このFAXを見て「赤い糸でつながっているみたい。」と言った。
1月25日から1月29日まで出張で東京にいた。1月26日(木)何気なしに日刊ゲンダイ(新聞)を買った。そしたら、元トップセールスマンが明かす「食品添加物の現場」連載?で安部さんが出ていた。ニセモノ材料を固めて着色。回転寿司の数の子もどきイクラもどきであった。そして、ホテルに戻って日本経済新聞の夕刊を見ていたら、「この一品」というコーナーに何と蜜ろうそく(ハチ蜜の森キャンドル)が紹介されていた。[スローライフ談話室第28話 安藤竜二「蜜ロウソクは、ミツバチがもたらした自然の恵み」]
安部さんは安部さんの世界で、塩川先生は塩川先生の世界で、安藤さんは安藤さんの世界で一生けんめい生きている。私はみそを通して「自然の味」を訴えていきたい。みんな、いろんな人たちが、世の中の事を思い、いずれ赤い糸でつながっていく。
情報:スローライフ談話室第22話「本物の食べ物は本物の土づくり」の筆者・伊藤雅文さん(NPO法人 京都時給ネットワーク代表)からの情報です。
スロー
新年あけましておめでとうございます。 12月25日、山形県庄内町でJR羽越線特急いなほ14号の脱線・転覆事故が起き、死者が出た。山形県の日本海側で、冬はいつも地吹雪で大変なところである。車を運転していると、地吹雪で前が全く見えなくなる。「ぶつかってもいいや。お互様。」という位 の気持でゆっくり構えて、そろそろ運転する。そうでないと、「緊張で車が運転できなくなる。その庄内地方に私のみその原材料のお米を栽培している所が二ヵ所ある。特みその遊佐町と特特みその庄内町である。
そうしたら、次の日の26日、セブン&アイ・ホールディングス(セブン・イレブン、イトーヨーカ堂グループ)がミレニアムリティリング(そごう、西武百貨店)を経営統合し、総売上4兆5千億円、世界有数の大流通 業が誕生するというニュースが流れた。 片や山形では自然風土の中で、取り残された風景があり、片や、世界をまきこんだグローバルの嵐が吹き荒れている。
そんな中で、12月2日(金)夜、東京の丸ビルでスローフードジャパン(公式団体)の「味の箱船」の記者発表会と来場者(500名)との交流会があった。(1)古来からあった日本各地の在来の一次産品(農産物)や伝統的加工品を守ろう。(2)スローフードを作っている小さな生産者、製造業者を守ろう。(3)子どもの食育をしよう。という運動である。そして何よりも味の多様性を重要視している。 スローライフ談話室第一話「なぜ、今スローフードなのか」(ノンフィクション作家・島村菜津)参照。
そして、「味の箱船」に関しては、スローフードジャパンの‘Ark’Japanの味の箱船参照(http://www.slowfoodjapan.net/ark/ark.html)。今回の味の箱船に選ばれたのは9品でそのうち山形スローフード協会より2品選ばれた。(別 掲載ページ参照・「味の箱船」の記者発表資料より抜粋) 流通の大編成で、よりビッグな流通 業が出現し、大量仕入れ・大量販売がより一層進んでいく。当然、製造業も、それに合わせてより大規模大量 生産になっていく。その一方で、スローなスローフード及びスローフード運動がある。
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